プロゲーマーとストリーマーの

「プロゲーマー」と「ストリーマー」の確定申告マニュアル 2020


このマニュアルは、「プロゲーマー」や「ストリーマー」に正しい確定申告をして頂くことで、税務署とのトラブルから守ることを目的としています。

そのため、一人でも多くの方に読んでいただけるように、できるだけ専門的な言葉を避け、厳密な取扱いの説明を省略している場合があることをご了承ください。



そもそも「確定申告」ってなに?

1年間(1/1-12/31)の所得を計算して確定申告書を作成し、3月16日までに管轄の税務署へ提出して、所得税を払う(納付)、もしくは返してもらう(還付)手続のことです。


「確定申告」しないとどうなるの?


損します。後悔します。怖い目にあいます。

もし、申告していない、もしくは税金を少なく申告している場合には、本来払うべきであった税金に加えて、次の余計な税金も払う必要があります。

延滞税 年2.6%または年8.9%
加算税 不足税額の5%~20%
重加算税 不足税額の35%~40%

また、その脱税行為が極めて悪質な場合には、「10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金またはその両方」という刑事罰に処される可能性もあります。


どうせ見つからないんでしょ?


国を舐めると痛い目にあいます。

例えば、Youtubeの収益ですが、税務署内にはネットビジネス調査の専門部署があり、送金記録などの情報を職権で収集可能であるため、ほぼ把握されています。「今まで指摘されていないから大丈夫」は大間違い。泳がされているだけなので、とても危険な状態です。

Youtubeに限らず、アフィリエイトの収益は、ASPからの銀行振込です。そのため、ASP側を調査すれば、税務署が申告もれを把握することは簡単です。

もしも税務署から指摘を受けた場合、本人にとって致命的なイメージダウンとなる可能性があります。また、他のプロゲーマーやストリーマーまで奇異の目に晒される危険性もあります。

もし申告していない場合には、税務署に指摘される前に自主的に申告した方が、罰金も少なく済みますし、致命的なイメージダウンは避けられます。なるべく早く申告しましょう。


そもそも「所得」ってなに?

収入から経費を引いた利益のことです。所得は全部で10種類ありますが、プロゲーマーやストリーマー活動による収入は、以下の4種類のどれかに区分されます。

事業所得
雑所得
一時所得
給与所得


自分の収入がどの所得になるのか?

簡易的な判断基準としては、そのプロゲーマーやストリーマー活動が「本業」である場合は「事業所得」、「副業」である場合は「雑所得」、「趣味」の場合は「一時所得」となる可能性が高いです。
例外として、プロゲーミングチームやストリーマー事務所と雇用契約を結び、給料(固定給や賞与)として受け取っている収入については「給与所得」に該当します。

​より詳しく知りたい方は下記の記事をご参照ください。
所得の区分を間違えると、税金の計算も間違えることになるため、心配な場合にはDMにてご質問ください。


どういう支出が(必要)経費になるの?


その収入を稼ぐために「必要であると説明できる」支出が経費になります。
例えば、配信に使用しているPCをプライベートでも使用する場合には、プライベート使用部分は「不必要」な支出として経費になりません。

より詳細な説明については、下記の(参考:必要経費になるものとならないもの)をご覧ください。


どうやって作成するの?

1.手書きで作成する 
2.PCで作成する
3.スマホで作成する

作成した基本データを来年も使えること、オンライン送信に対応できることなどメリットが大きいため、2番・3番がお勧めです。なお、プロゲーマーやストリーマー活動を本業にしている方(事業所得がある方)は、スマホでは作成できないためPCで作成しましょう。

国税庁 確定申告書作成コーナー
https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl


どうやって提出するの?

1.税務署へ持っていく
2.税務署へ郵送する
3.オンライン(e-Tax)で送信する

添付資料がいらないこと、還付金が早く帰ってくることなどから、3番がお勧めです。


オンライン(e-Tax)送信ってどうやるの?


2つの方法があります。

①ID・パスワード方式
必要なもの:IDとパスワードのみ(カードリーダーなどは不要)
注意点:税務署へ直接行ってIDとパスワードを取得しておく必要がある。

②マイナンバーカード方式
必要なもの:マイナンバーカード、ICカードリーダー又はマイナンバーカード対応のスマートフォン(Androidもしくはiphone7以降)
注意点:マイナンバーカードを作っておく必要がある(作成方法は、郵送での申請、PCでの申請、スマホでの申請、証明写真機での申請の4パターン)なお、PCの場合、プラウザはInternet Explorer 11のみ対応で、Macは非対応であることにも注意が必要。

また、はじめて利用する際にはセットアップが必要になりますのでご注意ください。
https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top_web#bsctrl


どうやって払うの?

1.金融機関などで納付書により納付
2.口座振替により納付
3.コンビニでQRコードにより納付(30万円以下の場合のみ)
4.クレジットカード納付

2番・4番がお勧めです。
納付書またはQRコードによる納付の場合、納付期限は3月16日ですが、口座振替又はクレジットカード納付の場合、支払を遅らせることができます。

なお、クレジットカード納付の場合、下記のサイトにアクセスして、①名前や住所などの基本情報②税金の種類や税額などの情報③クレジットカードの情報を入力するだけで完了です。
決済手数料の負担があること、ポイントがつくこと、分割払いが選べることが特徴です。
https://kokuzei.noufu.jp/


プロゲーマーやストリーマー活動を本業としている方へ・・・3つのアドバイス

1.青色申告をしていない人は、今年の3月16日までに「青色申告承認申請書」を提出しましょう。税金がお得になります。

2.定期的に記帳しましょう。
年明けにまとめてやろうとすると、とっても大変で、めんどくさいから申告しない・・・なんてことになりかねません。そもそも、プロゲーマーやストリーマーとして生計を立てていく覚悟があるのであれば、タイムリーに収支管理することは大切だと思います。
記帳するツールとしては、クラウド会計ソフト(年額12,936円の「freeeスターター」または「マネーフォワードクラウド確定申告 パーソナルライト」)辺りがお勧めです。

3.マイナンバーカードを作りましょう。
理由1:65万円の青色申告特別控除を受けている方は、来年申告分より、オンライン(e-Tax)送信しなければ控除額が10万円減らされてしまいます。
理由2:消費税増税対策である「キャッシュレス決済によるポイント還元」は今年の6月で終了します。7月以降は、マイナンバーカードを持っている人だけ、ポイント還元を受けられるようになるため、今のうちに作っておきましょう。


ケーススタディ


Q1:
給料制ではないプロゲーミングチームに所属している。
大会での賞金やイベント出演料については、チームから50%を受け取る契約になっており、年間で300万円貰っている。
その他、チームとは関連のないスポンサーから年間120万円のサポートを直接受けている。
また、YouTubeやTwitchにてストリーミング活動もしており、ゲーム配信動画内に表示される広告収入が年間200万円、視聴者からの投げ銭収入が年間50万円である。
なお、プロゲーマー活動に対する経費は100万円、ストリーマー活動に対する経費は20万円である。
他に収入はない。
青色申告の承認申請を受けており、適正に記帳されている。

A1:
本業としていることから事業所得に該当。
事業所得の金額は、プロゲーマー活動320万円(300万円+120万円-100万円)、ストリーマー活動230万円(200万円+50万円-20万円)の合計550万円から青色申告特別控除65万円を差し引いた485万円となる。


(参考:必要経費になるものとならないもの)


① 大会参加費

大会に参加するための参加費は、当然ながら必要経費になります。

ただし、その参加費の中に保証金のような返金される部分がある場合には、その部分は必要経費になりません。

② 交通費

大会の会場などへの電車・タクシー・飛行機代等、自家用車を利用した場合の、ガソリン代・ETC代・駐車場代なども必要経費になります。

ただし、滞在日程に観光などプライベートな予定が含まれている場合、その部分は必要経費になりません。

③ 宿泊費

遠方の大会に参加するための宿泊費は必要経費になります。

ただし、不必要に豪華な部屋へ宿泊した場合、一部が必要経費にならない可能性があります。

また、滞在日程中の観光などプライベートな部分も、必要経費にならないため注意です。

④ 会議費・接待交際費

プロゲーマーとしての活動に関係する打合せ、接待などの飲食代、関係者への手土産・お中元などの贈答品、ご祝儀などは必要経費になります。

ただし、友人や親族など、活動に関係のないこれらの支出は必要経費になりません。

⑤ PC関連費

ゲーム活動や配信活動を行うために必要なPC、ゲーミングチェアなどの周辺機器は必要経費になります。

ただし、プライベートでも使用する場合、一部は必要経費になりません。

なお、一台30万円以上の高価なPCは、4年間で必要経費とします。

⑥ インターネット代

ネット対戦やゲーム配信など業務に使用する時間と、プライベートで使用する時間を一定期間集計して比率を求めます。

その比率によって、光回線利用料やプロバイダー利用料などの支払額を按分して必要経費を計算します。

⑦ スマホ利用料

関係者との通話や、ネット対戦、SNS更新など業務に使用する時間と、プライベートで使用する時間を一定期間集計して比率を求めます。

その比率によって、通話代やネット利用料などの支払額を按分して必要経費を計算します。

⑧ 家賃

賃貸マンションに住んでいる場合、ネット対戦やゲーム配信、事務作業を行うスペースなど、活動に必要なスペース(床面積)を計算します。

その計算した床面積と、全体の床面積との比率に応じて、家賃の一部を必要経費とすることが可能です。

⑨ 車両関連費

会場への移動などに自動車を使用している場合、一定期間における業務とプライベートでの使用割合(日数や距離など)の比率を計算します。

駐車場代、自動車保険、車検代などの維持コストについて、その比率に応じて必要経費にできます。

⑩ 調査研究費

プロゲーマーやストリーマーとしての活動に必要な、セミナーや練習会への参加費、ゲームや配信関係の書籍代などが該当します。

自らの技量や知識を向上させることで、収入アップに繋がると認められる支出は必要経費になります。

⑪ 配信関連費

ストリーマーとして、ライブチャットに使用した衣服の購入、部屋の装飾代など。

プライベートとの線引きが曖昧なため、使用したことの証明ができないと必要経費にすることは難しいため、配信を録画するなど記録に残すと望ましいです。

なお、配信に使用したとしても、ブランド品など再販可能なものや、日常生活で使用可能な衣服・化粧品などは、必要経費にするのは難しいでしょう。(配信内で破壊や加工などして再販不可な状態にすれば必要経費になる可能性はありますが)

以前、ヒカキンさんが大量のハーゲンダッツを購入したことをネタに配信したことがありましたが、配信中に使用・廃棄しない限り、必要経費にはなりません。

また、配信後に使用したとしても、生活費として必要経費にはなりません。

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