見出し画像

『バンブーチェア』と私と

思えば「竹」とは何かと縁の多い人生だった(全然まだ途中)。

大学時代にDesigner's Weekに出展した時に、大学が京都ということで周りに生い茂っていた竹を素材に椅子を造った。身バレを覚悟で言うと、本タイトルにもあるバンブーチェアは入社2年目の時に何の因果か担当者に任命された。ただ、社内のムーブメントは熱したり冷めたりを繰り返していて、かつ私が転勤で東京を離れていたこともあってほぼ担当を外れていたものと思っていた。そして、今年に入って東京に戻ってきてタイミングで、また担当を任命されてしまう←今ここ!状態となった。

画像1

バンブーチェアの起源

オリジナルを辿れば、1937年に当時の三越の設計部に所属していた「城所右文次」その人がデザインし、三越が販売していた『バンブーチェア』。ちなみに各百貨店には館のデザイン監理や設計を行う部署があります。今はほぼ子会社になっていますね。

多分にアルヴァ・アアルトあたりの影響を受けていたんだろうなと勝手に妄想。あと、シャルロット・ペリアン女史もほぼ同時期バンブーチェア(シューズロング)をデザインしているのでどういった相関関係があったのかは興味深い。

(補足)ネットを探してみると当時の状況を振り返る記事を見つけました。シヤルロット・ペリアン女子が日本へ来日した際に坂倉準三と柳宗理が三越洋家具展へ連れて行き、そこでバンブーチェア と出会ったみたいですね。

紆余曲折を辿るバンブーチェア

どういった経緯か私は存じないのだけれど、元は製造委託していた東京竹興社というメーカーから販売をしてたり、いつの頃からか製作されなくなったりと歴史の片隅で紆余曲折がありました。偶々当時の部長が都内のアンティークショップでバンブーチェアを見つけた事がきっかけとなり、10年程前に復刻版として当社でローンチしました。(その時私は入社2年目)

当時はマーケティングや広報PRが全然機能せず、局所的な展開しかできていなかった事もあって、世のデザインクリエイティブなクラスタにはほぼ届かなかったのが悔しいな…と思っていたけれど、ようやく時が来たのかなと使命感みたいなものが芽生えてきています。諸処の事情で現在は一旦販売を止めておりますが、大きく展開していくための下準備を進めているので、早く世に出せる日を目指してPDCAをブン回す毎日です。

世界の片山正通先生やアンティークショップのantiques tamiserさんのブログでも紹介されていますので、ご興味ある方はぜひ

ちなみに竹と言えば千利休御大ですよね。

画像2

◆バンブーチェアに座る当家の文豪風愛猫(イメージ)

【追記】再販していました!!


2021年4月時点ですが、なんと再販されていました!ようやくですね、価格も立派なこと 笑(私が設計携わったアイテムもシリーズで展開されました。)

どんどん世に広まってほしいです。




いただいたサポートは猫と今後の更新のために使用させて頂きます。