店番のおじさんと父と私
職場の備品を買いに、商店街の小さな店を訪れた。
「こんにちはー」
誰もいない店内に声をかける。
商品を物色していると、奥の部屋から店の人がゆっくりと姿を見せた。
いつものように奥様が――と思ったら、この日現れたのは、おぼつかない足取りのおじさん。初めて見る。
「ごめんね、脳梗塞やってから足悪くなって。座らせてもらうね」
会計のとき、おじさんが領収書の綴りを出しながら弱い声で詫びた。
「あ、はい。どうぞどうぞ」
私はそれだけ言って、あとは黙ることにした。おじさんが領収書に、