マガジンのカバー画像

父のこと/命のこと

41
2021年、コロナ禍に脳梗塞で逝った父のこと。いくつもの重い決断を迫られた、私たち家族のこと。その後の、日々の暮らしのこと。/父に限らず、命のことをテーマにした内容です
運営しているクリエイター

2022年6月の記事一覧

今年のツバメハイツは入居OKです

5月頃から、毎年恒例、ツバメたちが我が家の内部見学にやってくる。それは街なかでも同様で、もうじき地元の店先では、逆さに開いたカサが多数出現することだろう。 カサの上にはツバメの巣がある。ここのツバメ一家が旅立つまで、カサはひたすらフンを受け止め続けるのが仕事だ。その間地元の人たちはあたたかく見守る。 うちの親も小鳥が大好きで、かつてはツバメも毎年のように受け入れ、ヒナが巣立つまで、大切に見守ってきた。その証として我が家の車庫には、「ツバメハイツ」と呼ばれる歴代入居ツバメの

親の葬儀で後悔しないために決めておいたこと

2017年、祖母が他界したときにわかったことがある。残された者は、必ず後悔するということ。身近にいた者は特に。 正直私は祖母について、裁縫の腕は尊敬していたが、性格については「陰」の気質が強かったため、あまり好きではなかった(私と似た性格とも言える)。 それでも介護度がつき始めた頃から、母と二人で祖母のトイレの介助をしたし、要介護になってからはシモの世話もした。 とっても大好きな祖母で、だけど何もすることができずに逝ってしまった――というのなら、きっと後悔は大きいだろう。