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ここは私の居場所ではないかもしれない、と初めて感じたのは、19歳になったばかりの春だった。私は仙台の専門学校生になりたてで、都会の学生生活を楽しんでいた。 学校は駅近くのビルのような建物。授業中――たしか9階の教室だったろうか。ふと窓に目をやると、そこから見えるのは駅周辺に乱立するビルの群れだった。 それまですごした岩手の小、中、高の校舎の窓から見える景色は、広い空、校庭の桜の木、どこまでも続く緑の山々、その合間からぽつんぽつんと見える民家。 ――だけどここの風景は、風