【小説】太陽のヴェーダ 先生が私に教えてくれたこと(29)
(第1話/あらすじ)
●問診
その日の午後、想定外の体力仕事が課せられてしまった。公民館での催し事の準備に、美咲が助っ人として駆り出されたのだ。
脚立を運んだり、展示物を飾る台やパネルを設置したり。正職ではない美咲がこういった助っ人仕事をするのは時々あったが、連日足へ負荷がかかることだけは、心底避けたかった。明日木曜日は、学級文庫を選ぶ作業があるというのに。
「これからは……公民館側の予定も、チェック……しておこう……」
重量物を持って、すでに階段を五往復していた