【小説】太陽のヴェーダ 先生が私に教えてくれたこと(33)
(第1話/あらすじ)
●再会
「いわんこっちゃない」
高坂総合病院、皮膚科診察室。
恒例の、瀬名の問診である。
「言った通りじゃないか、彼」
いつもは月一回程度の通院だが、先日不調で訪れたため、あまり間をおかずに今回の通院となった。
「でもいい方向に転がったと思いますけど」
「そうかな。君はいよいよ逃げ場がなくなったわけだよ」
「そんな……誠実に向き合うだけです」
「向き合う? 何と? 彼と? 違うよね。君は君自身と向き合うべきだ」
自分の気持ちとはもう何回も向