【小説】太陽のヴェーダ 先生が私に教えてくれたこと(21)
(第1話/あらすじ)
「美咲! どうしました!?」
雪洋の声――
倒れたおかげで頭に血が巡り始めたのか、めまいは少し治まっていた。
「水を何回も流す音がしたから心配していたんです。嘔吐ですか? 下痢ですか? 倒れたとき頭は打っていませんか?」
ゆっくりと体を起こされる。
頭に異常がないか、雪洋が指先で探っている。
「頭は平気……。おなか、急に痛くなって……便意が、何回も、何回も……」
「下痢ですか?」
美咲はかすかにうなずき、でも、と唇を動かした。話すのがひどく億劫