夢中で書いたものほど、書いたときの記憶がない
私の記憶では、初めて書いた小説はたしか、20代中頃か後半だったと思う。
子供の頃、「将来なるなら、マンガ家か小説家のどっちかだなぁ」などとえらそうに思っていて、「絵描き期」と「物書き期」を交互に繰り返していた。とはいえ、どちらかというと「絵描き期」の方が多く、専門学校でPhotoshopに出会ってからはさらに加速した。
だから小説家への憧れはあったものの、学生の頃、実際に小説を書き上げたという記憶はなかった。
――という話をしたとき、同郷の親友であり、「和楽風天」の相方