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書呼吸

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小説。エッセイ。日記。文章。言葉。書いたり、書くのをやめたり、書くことの意味が変わったりしたことについて――等々。書呼吸(かこきゅう)とは、「呼吸するように書く」のではなく、「書…
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#創作活動

3年日記、2冊目は内容をかえてみる

3年用の連用日記帳に、食事の記録をつけている。それにともない、季節の行事の作法も。 あと我が家の暮らしの特筆すべきことを、時々。 2021年から書き始め、今年、3年目。 今が一番、おもしろい。 過去2年分の「今日」を見ることができるから。 メインの食事の記録よりも、やっぱり暮らしのことを記した一言日記的なところが読んで楽しい。こんなことならもっと書いておけば良かった。 食事や行事の作法についてはあらかた書き記したから、もう次はいいかな、この1冊で終わりにしようかな、と思

久しぶりに即売会の準備に勤しむ

何年ぶりだろう。 即売会の準備をするのは。 ステロイドや免疫抑制剤を常用している私は、感染症に注意しなければならない。故にまだしばらくは、不特定多数が入り乱れるようなイベントの参加は控えている。だから今回の即売会も、参加するのは私ではなく、作品たち。 同人誌即売会ではないから、小説や体験記の手製本は持っていかない。今回私が出品するのは、ポストカードと一筆カードを少し。 ポストカードは、地元の美しい風景をメインにした「森」セットと「空」セット。 一筆カードも同様の風景写真

嫌なことを知って、進むべき道を知る

書いて稼ぎたい、という欲というか志というかが強く芽生えていた頃。親友の協力もあり、自分で本を作って、即売会や地元商店街のイベントへ参加したり、店舗で委託販売をしてもらったりと、戸惑いながらも活動の幅を広げていった。 それはとても楽しく、興奮することであったが、良いことばかりでもなかった。幸いにも悪意を持った行為を受けたことはなく、むしろ皆さん好意的で、協力者に恵まれたと言える。 それでも私の中で、「なんか……なんか嫌だなぁ……」と感じたことがいくつかあった。少しでも多くの

「大地の牡牛座」は「風の時代」をどう生きるか

時は「風の時代」。土地やお金、車や服など、バブル期のように物を所有することが成功と言われた「地の時代」から、風のように目に見えない、触れられない――情報や精神的なこと、共有などに価値をみる時代へと替わったらしい。 去年占星術界隈で騒がれたが、コロナ禍で生み出されたものを見ると、なるほどたしかに「風の時代」の到来を感じざるを得ない。 だけど牡牛座は大地の属性。「物質の牡牛座」「所有の牡牛座」とも呼ばれており、およそ「風の時代」に合った気質だとは思いにくい。 「風の時代」突

その小説家に飽きる瞬間

食べ物でも小説でも、一旦気に入ると同じものをずーっと貪り続けてしまうのは牡牛座ならではの特性だろうか。だけど私の場合、ある瞬間に「飽き」がくる。 食べ物の場合、一生分食べて「ウッ」と具合が悪くなった瞬間。でも二日酔いして「もう飲みません」と宣言する酒飲みの如く、ほとぼり冷めればまた欲しくなる。 小説の場合は、私の経験値が物語を上回ったとき。「飽き」というよりは「卒業」だろうか。 一冊にとどまらず、その小説家が書いたものすべてに触れたくて片っ端から読み漁ることもあるが、残

私の創作活動の掟

私は自分のことが、一番信用ならない。だから未来の約束は、なるべくしないことにしている。こういう考えに至ったのは、持病との長い付き合いが原因だ。 もともとは文学賞へ応募するかたわら、オンラインで小説やエッセイの公開をするなど、一人で活動していた。その後は仲間に恵まれたこともあり、文学フリマなど即売会への参加、委託店での販売、親友とのイベント運営など、意欲的に活動を広げていく。 毎年入退院を繰り返していたのに、その頃は珍しく安定した体調が続いた。やっぱり楽しいことをしていると