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書呼吸

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小説。エッセイ。日記。文章。言葉。書いたり、書くのをやめたり、書くことの意味が変わったりしたことについて――等々。書呼吸(かこきゅう)とは、「呼吸するように書く」のではなく、「書…
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2021年10月の記事一覧

「あなたの言葉は、心をなぞる」と言われた日、共鳴を感じた

書くことについて語るとき、私はよく「心をなぞる」という言葉を使うのだが、これを最初に言ったのは姉だった。 あれはたしか、10年くらい前にmixiで書いた、ある日の日記を姉が読んだときのこと。 「今回の日記、なんか良かったよ」 「え、本当に? 不快には思わなかった?」 「いや全然」 そのとき書いたのは、私としてはとても言いづらいこと。できれば隠しておきたいような、申し訳ないこと。もしかしたらこれを書いたら、少なからず非難を受けるかもしれない、という怖さもあった。 それで

40代は日記をどうするか

かくして20代、30代はすぎ、40代は日記をどうしたものかと考え続けている。 新たに書き始めるのであれば、去年、人生の新章が始まったときがいいタイミングだったと思う。だけど30代の日記の反省もあり、当時まだ少なからずまとっていた毒で真新しい日記帳をけがしたくなかった。だからなんとなく、禊の期間をおいていた。 それに私の場合、「元旦から日記を書こう」とか「毎日続けよう」という、ただ「書く」ということは目的にはならない。 日々をすごしているときに高めの圧で内から湧いてくる想

30代の日記は捨てた

20代の日記は大切にとってある。 しかし30代の日記は捨てた。 20代の日記は独身時代の1つの恋愛が終わったあとのことであり、30代のは夫婦仲が破局に向かっている日記。 今までの私なら、いつか小説へ活かせるかもしれない、と後生大事に保管していただろう。だけどこのときの私は違った。 ――嫁ぎ先を出ていったあと、新しい環境の中で、これを、もう一度読み返すか? 否。不愉快になって具合が悪くなるだけだ。 それにわざわざこんなストレスだらけの小説を書くとも思えない。私が小説を書

20代の日記

20代半ばの頃、書かなきゃ、と強く思い立って書き始めた日記がある。 とにかく書かなきゃ、今すぐ書かなきゃ、と急いで文具店へ行ったものの好みのノートがない。店をかえるという選択肢が出てこないほど、早く書かなきゃと、自分の好みとしてはやや劣るノートを1冊買ったことを覚えている。 そうして日記を書き綴り、ちょうどキリのいいところで1冊終わり、これがとても――自画自賛でしかないのだが、「我ながら上手く書けた」などと思ってしまった。 何をもって「上手く書けた」なのか、自分でもよく

嫌なことを知って、進むべき道を知る

書いて稼ぎたい、という欲というか志というかが強く芽生えていた頃。親友の協力もあり、自分で本を作って、即売会や地元商店街のイベントへ参加したり、店舗で委託販売をしてもらったりと、戸惑いながらも活動の幅を広げていった。 それはとても楽しく、興奮することであったが、良いことばかりでもなかった。幸いにも悪意を持った行為を受けたことはなく、むしろ皆さん好意的で、協力者に恵まれたと言える。 それでも私の中で、「なんか……なんか嫌だなぁ……」と感じたことがいくつかあった。少しでも多くの

noteを半年続けて自覚した自分のリズム

「牡牛座日記、ゆるいスタンスなのは理解しておりますが。上旬のアップ率が低すぎるのはいかがなものか」 いつか言われるだろうとは思っていたけど。noteを半年続けたところで、ついに姉からのツッコミが来た。しかもご丁寧に集計つき。 「1日1投稿」、「2~3日に1回」を経て、今なんとなく落ち着いてしまった投稿スタイルとしては、「月10本程度」。しかもコンスタントにではなく、月の下旬に集中する。 上旬は書いていない、ということではない。月初めに下書きをいくつも書き散らし、それを毎