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詩一篇(2021.09.07)

気狂い木の葉の春だった部屋から出て 
一人でいた 
扉が消えて壁が消えて 
手前から順にトロンとボーンが 
肉体改造のさいちゅうで 音楽なんて 
口の悪い連中の寝ぼけ代わりの言語だって 
悪態ついていた 
私は彼らの裸を見つめていたが 
恥ずかしくなかった 
トロンはまだ母から 
かわりに薬局に行ってもらっていたし 
ボーンはもう父から 
ねずみとりの殺し方を教わっていたし 
で 二人は生きていた 
(店主は閉店後の真っ暗闇の中でひとり頭を抱えていたがそれは私たちのせいなのか) 
二人は生きていた私が生きるように 
それよりももっともっと上手に生きるように 
しようとしていた 
でも彼らはなんといっても 
気狂い木の葉の春の人らだったのだ 
トロンはボーンの体に出し入れされる運命にあった 
他の人なんていないましてや私なんて! 
トロンとボーンは 
硬く拳を握ってあいまいな 
強さを振りかざす 
トロンとボーンは肉体改造の筋肉疲労に 
顔を顰めながら音を絞り出した 
贅肉が落ちてじゃっかんぎちぎちな 
トロンとボーンの音の通り抜け 
気狂い木の葉の春のような音だったよ

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