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詩三篇(2021.09.01)

1

まだ割れてない食器も
マネキンも
沈む
ダムが
移動式窓辺のカーテン越しに
放水する静かな音が
移動式キッチンに四本足で立つ
キャスター付ききつねの剥製の
耳に埋め込まれた
マイクで拾われる
その日は決まって晴れなのだ
死んだきつねよ けーけーと鳴け


2

私ひとりで温めて
柔らかにした粘土を纏って
歩いて行く町は寒い
待ち合わせ場所から部屋へ場所をかえて
君の指先で襞をつけて
最後に君の一番あたたかな部分で
すべて溶かして伸ばすので

子供らの声 一年生の下校時間
すべて知らない 私たちから見えない
黄色い帽子や 横断歩道
しんにゃんが先生に言うって言ってっぞ!

がんばれ
この粘土細工を私ぴったしに
私ぴったしにして包んで
私は顔だけを窓から出して
しんにゃんを探すよ


3

一度は忘れた土曜日や
がちゃり鍵かけた性対象
猫はしゅわしゅわ寝ているが
ほんとはお酒で漬けてある

歯切れがようござんすね
条件付きの口説き方ならば
わたしたちがいいやりかたで
昔食べた皿で10パのサボテン

それで幻覚?

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