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海の向こうショーワ感漂う漁師町(3) | 淡路島 岩屋

今回は、味わい深い岩屋商店街を一眼レフで写した何枚かのスナップからお送りしたい。

この場所で感じた空気を出来るだけ新鮮に伝えたいからだ。

パチンコ コンドル。華々しい看板には光が少ない。島のオッチャンたちの遊び場だろうか。

岩屋商店街、とググると「激レトロ商店街」や「伝説の商店街」と出てくるが、

一見何の気なしに歩いてみると、少し古めの商店街かなという気にもなる。

向かいのコーヒーパーラーは閉店してしまったのだろうか。常連の猫たちは今日も立ち寄る。

ただ、どうかな、、。

僕は少し違った印象を受ける。

古くから栄えた、島の漁師町。
街角から空気感まで、どこかで時が止まったかのような不思議な感覚に包まれる。

人の姿は少ないが、昔と変わらず営まれる人々の生活が目に浮かぶ。

近隣の有名な寿司店はデリバリーを始めたようで、ひっきりなしにバイクが出入りしていく。

地元の島民たちを見守る、高台にある寺。

田舎が好きだ、と言う人の中には
「自然が良い」と言い切る人がいるが

僕は、自然も好きだけど
そこに生きる人々が感じられる街や風景、リアルな交流やコミュニティ、文化や歴史にいつもすごく惹かれる。

そういうのは大都会やニュータウンではなかなか感じられないし、人の心を豊かにすると心から思う。

町に流れる一本の用水路。漁師町なこともあり、猫の姿が多い。

島の美容室。

この岩屋商店街は、
確かにユニークなお店並びや、時にレトロな風景に溢れていて、すごく懐かしい気持ちになる場所。

でも、僕はそこに映る風景や一歩外れた裏路地の空気に、昔から続く島の人々の生活の営みを感じました。

そして、そんな場所が
船や高速道路で海を跨いで、沢山の人々が住む大都市と目と鼻の先で繋がっているということで、どこかエキサイティングで懐かしい場所として映っているんじゃないかなと思う。

淡路ICに展示されている、岩屋の町の上空パノラマ模型。まるで「ぼくの夏休み」の世界観。

今つらつらと書いていて気付いたのだけれど、岩屋の町は昔よく遊んだ「ぼくのなつやすみ」というゲームの舞台の海辺の町に空気感が似ている。

なんだかそれだと一発で伝わりそうだ。笑

島側の元たこフェリー乗り場(岩屋港※ジェノバラインが着く場所とはまた別)には新鮮な海鮮を提供するお店「友明丸」さんがある。

岩屋商店街を寂しくも抜けた先の港のそばには淡路島タコステと呼ばれる、幾つかの地元店舗の集合エリアがある。

そこで休憩をしていると、海の様子をドローンで撮影している男性がいた。

しばらく見ていると、どうも港周りや行き来する船舶を撮影しているようで声をかけると、びっくり観光関係や自治体の観光創生では有名なドローンビデオグラファーの方だったようで、

お仕事中の貴重な時間を邪魔しているのは分かりつつも好奇心からしばらく話を聞くことに。

趣味のカメラからドローンの世界に入り、
これまで見たことのないような絶景を写真や動画に残せることでハマり、色んなところを撮ってるうちに、色々な自治体ともコラボで撮影しているとのことで、その話の隅々まですごく勉強になった。

感謝を伝え別れた後、淡路島タコステの一角に目をやると、友明丸さんの屋外には青空水槽と、そこに泳ぐ無数のサメが...。

友明丸さんの青空水槽にはサメたちと、エイが。なかなかインパクトのある画だ。

残念ながら時間がなくお店にトライは出来なかったが、次回は必ず立ち寄りたいと強く願って淡路島タコステを後にする。

さぁ、日が暮れてきた。

岩屋小学校より上の高台から見る町並みと海。明石大橋の絶景ポイントのひとつ。

帰りは高速バスで三宮まで行ってみようと決めていた。

海からだけじゃなく、高台からも町が見てみたかった。

山手の高速道路に向かって広がる岩屋の町並み。

再び商店街を抜けて、高台の方に足を進めること2,30分。

日がゆっくりと低くなってくる。

淡路鳴門自動車道の中にある、高速バスの乗り場を目指す。

高速バスに高速道路内から乗るのは人生初。少し興奮した。

淡路ICのバス乗り場は、淡路ハイウェイオアシスにほぼ直結なので、休憩がてらの買い物もしてバス停に向かえる。

バスは1時間に2,3本はあるイメージだが、夜が近づくと少なくなる。

1日の旅の終わりが近づく。

汗をかく中、ハイウェイオアシスで買ったお茶をゴクリと流し込む。

ふらりとやってきた島旅も、無事終わり。

今回は船で来たので、岩屋の町を歩いて回って、たくさんの景色に全身で触れられた。

明石大橋上で、バスから窓を覗くと瀬戸内海を西に沈む綺麗な夕陽が見えた。

半日しかいられなかったけど
海の向こうの岩屋という町に「今までよりも触れられた」という感覚が残る。

これを書き残しておこう。

もしかするとこれから、島とはいえ町の姿が変わっていくかもしれないし、

濃厚だった旅、ただ単純な記録として残すのも良いじゃない。うむ。

「悪くなかったよ、このぶらり旅。」

帰り道、リクライニングを倒してまどろみながら見る西陽を眺めながら、そんなことを考えていた。

《海の向こうショーワ感漂う漁師町(淡路島 岩屋町 篇) 完》

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