見出し画像

月極駐車場に勝手に停めマンとのバトル

俺は家の近くに月極駐車場を借りて車を止めている。

「車は金食い虫だから、カーシェアにすべき!」
と言う時代の声もなんのそのだ


この月極駐車場に勝手に車を止めるやつが後を絶たないのである。

ある日、仕事の合間に家に寄る用事ができたので駐車場に向かった。駐車場に着く直前、フェンスから自分の駐車スペースに勝手にじいさんが車を止めているのが見えた。

「逆ギレされたらどうしよう」なんて気弱なことを思いながら、ドキドキしつつ、じいさんに声をかける

「そこ僕が月極で借りてるところなので、移動してもらっていいですか」

じいさん「え。そうなの?」

とぼけやがって。ふざけんなと内心少し思ったが、ローキックいっぱつで全治半年ぐらいになりそうなじいさんだったので、何も言わずに自分の車に戻る。
じいさんはすんなりと車を動かしてどこかへ行ってしまった。

全く…たまったもんじゃねぇなぁ。ちょうど俺が来たからよかったけど、あと1分遅れてたら俺が止める場所なくなってたぞ。その場合、俺がコインパーキングに停めて、その金請求できるのかな?

この経験は俺の心の中に「嫌な予感」と言う置き土産を残した。



その2週間後、駐車場にいて、自分の車に乗ろうとすると、三つ隣の駐車エリアに止められている車に、不動明王みたいな顔した恐ろしいおっさんが張り紙をしていた。

俺は何も悪くないのにちょっとびびった。張り紙をして駐車場を出て行こうとするそのおっさんと目があったが、特に俺を気にかけることもなく立ち去った。

貼られた張り紙を見ると、この時代に久しぶりに見た筆字で描かれたものだった。そこにはこう書かれていた。
「ここは月極駐車場です。勝手に人のエリアに車を止められると大変迷惑です。この張り紙を見たら駐車場目の前の石材店に来てください」

めちゃくちゃ怒っている。しかも大変迷惑ですと言う文字だけ、赤の筆字で書かれている。そもそも家に赤の筆が置いてあると言う事実もちょっと怖い。習字の先生を副業でやってるならともかく。


ご丁寧にそのじいさんは勝手に駐車している車が逃げられないように、車の前輪の前に動かせない位でかい石を置いていった。さすが石材店。
ことの顛末を見届けたかったが出かけなくてはいけなかったのは悔しかった。


それから2ヶ月ほどして、夜おそくに帰宅した。本当に疲れた。気温も低いし、さっさと家に帰ってアゴまで42度につかりたい。そして湯たんぽのパワーに抱かれながら早く寝るんだ。ああ・・・あと少しで家に着く。
しかし今度は俺の駐車エリアに見知らぬハイエースが思いっきり止まっていた。

ふざけんな。盗まれろ

で、警察を呼んだ


ハイエースを移動するためにレッカー車とか来てくれんのかなと思っていたが、やってきたのは原付に乗った若い警官1人だった。

弱っ!

どうすんの?これ。事情を説明してどうにかしてくれるんだと思っていたら、警察は言った。
「何もできない」

なんだと?ローキックすんぞ。


かいつまんで言うと、こういうことらしい。
その駐車エリアを借りているのは、間違いなく俺だが、この駐車エリアの持ち主とは言えないので、この勝手に止めているハイエースを訴えたり罰則を与えると言うのはできない。もしできるとしたら、この月極駐車場を持っている地主だけである。と。

なんでやねん。毎月の金払ってんのも俺だし車が止められない被害に遭っているのも俺だし、むしろ地主は俺から金をもらって何の損害にもなっていないのに、なんで1番の被害者である俺が何もできなくて、何の被害も被っていない地主しか何もできないんだ。


と言うわけで、地主に電話した



地主「あー勝手に止められちゃってる?おーい、辰巳さんが自分のところに勝手に車止められて困ってるってよーあぁんじゃー2号館のゴミ集積所の横空いてるから止めてもらえばあぁそうかそうかそうだったなぁじゃあそこにとめてください大丈夫ですから」

電話に出たおじさんの母親と見られる本当の地主の声が後から聞こえて、月極駐車場の横にあるマンションの住人用の駐車場が空いてるから止めて良いと言うことになった。俺の要求とはちょっと違うぞ地主

「ここは月極であるってこと、看板とかでもっとアピールしてくださいよ・・・」
と伝えたら
「すいません・・・対応します」


原付でやってきた警察は車のナンバーから持ち主を割り出して、どこかの土建会社の車であることを突き止め、そこに電話までしてくれた。しかし時間も時間だったので、やはり誰も出ず何もできないまま手書きの張り紙だけ車に残して帰っていった
張り紙には「ここに止めちゃだめだよ。月極駐車場だよ。これを見たら警察署に電話してね」と言うようなことが書いてあった。

石材店を見習えとちょっと思ったが、後から調べると、その張り紙をしてくれることすら、なかなかまれらしい


おそらく、繁華街が近いから行ったようなトラブルがたくさんあるのだろうと推測される。あの石材店もきっと同じ理由でペンが筆字になり、筆字が赤筆字になったのだろう。
次は血文字になるかもしれない


次の朝にはハイエースはなくなっていた



それから三日後、帰宅したらまた俺の駐車エリアに車が停められていた。
車に人が乗っていたので説明したら、月極とは気づかなかったらしくあっさり移動してくれた。


地主はいつ月極駐車場だよという看板を立ててくれるんだろう。そう思っていたらやっと地主が看板を新設してくれた。
A4サイズの。



・・・・・・・・・・・・・・・・・イヤちっせぇよ!!!(# ゚Д゚)


うんざりして自分でホームセンターでコーンを買って自分の駐車エリアに建てることにした。

スキをくれ!!ください!!マジでください!マジでマジでマジでマジでください!なんにも減るもんじゃないですよね?頼むよお願いお願いお願い!!! ついでに言うと、あわよくばサポートという愛もください!!金額云々じゃなくその事実だけでどれほどのパワーをもらえることか。