tattiii

散歩

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最近の記事

ジャン•クリストフよ、遥か彼方

下北沢には意外と思い出がある。 大学一年生の時、初めてのオールをして高校の友達に服を借りに行ったことがある。 初めてちゃんと演劇を見に行ったのもそうだし、大学上京?当時の新鮮さと高揚がある。 back numberの「東京の夕焼け」がとてもしっくりくる街。 サブカルや音楽や古着の街というか、もっと別の形容をしたくなる。 小田急線と京王線が交差していて、それこそ雑多な人々を運んでくる。 いろんな欲望と夢と青臭さがまじった交差点にひとつの文化的達成がある。 下北沢で友達と、そ

    • ビオトープの守り方

      この前会社の部の歓迎会があって、みなさんと話したら、意外とスポーツ少年というか、サッカーやってそう、わかるみたいな反応だったので、今までの人生にない感じの反応で意外だった。 どちらかというと大人しいというか、心優しい文学青年だと自覚してます。 自分が思っているものと全然違う印象を持たれて、それは全然いやじゃないけど、人によっては印象で判断されていやな思いをするのかな。 というのも、ハラスメント講習の動画を見て、人を見ためで判断しちゃダメ判断してはいけませんみたいなのを見た

      • とりわけ11月の風が

        普段音楽を聴いて過ごす人は多いと思う。 ミュージック・ビデオって最近見ますか? サブスクで好きなだけ曲が聞けちゃうから、見なくなることが多いんじゃないかな。 ミュージック・ビデオは、名作が多いです。 OasisのWhateverのミュージックビデオ あれって撮ろうとおもってとれるものじゃないです。 彼らの服装はオシャレじゃないけど気取ってなくて、ちょうカッコいい。 顔の造作とかはなく、かっこいいんですよね。自分の中に確信がないとああいう表情で歌えない。 リアムが来てるア

        • 曲を聞いてて良いなって思う部分を集めてみると、Bメロが多いです。 サビを堂々と好きっていえない困った子なわけじゃないですよ。 例えば、 KIRINJIのエイリアンズだと「長い夜に寝付けない二人の額をなでて〜」のフレーズが一番好き。 スピッツのロビンソンだと「ありふれたこの魔法で作り上げたよ〜」のフレーズ。 吉田拓郎の「落陽」だと「苫小牧発 仙台行きフェリー〜」のところ 他にもたくさんある。 ギターが弾けるとわかるのが、多くの曲でこのBメロにはセブンス・コードが使われている

        ジャン•クリストフよ、遥か彼方

          薬用せっけんミューズ

          「三上」という言葉を知っていますか。 昔の中国のエライ政治家が使った言葉です。 これは枕上、厠上、馬上のことで、この三つの「上」で考え事をすると捗るという意味です。 僕は枕の上だと寝てしまうし、トイレで考え事はしたことはあんまりないな。読みかけの本がやめられなくなってトイレまで連れ込むことは多々あるけど。 馬上というのは、文字のまんまだとないけれど、現代で言うと散歩している時や自転車に乗っている時のことを指すのかもしれません。 散歩しながら、自転車に乗りながら、あるいはゆっく

          薬用せっけんミューズ

          Laissant un résidu étincelant...

          On m'a fait monter sur une mobylette et nous avons continué à rouler le long du front de mer. "Oh," mon ami a pointé vers la gauche d'Enoshima, j'ai vu un petit feu d'artifice de fin d'été. Nous l’avons trouvé celui d’Atami en considérant

          Laissant un résidu étincelant...

          風をあつめて

          その日は電車がかなり遅れた。 会社には具合が悪いから少し遅れると連絡をして、武蔵小杉の駅前でタバコを一本吸った。 開発が進んだ駅前の無機質なビル群と初夏の日差しは、ある人にとっては容赦無く目の前の現実を突きつけてるように思える。 昨日、友達に高校の同級生が音楽をやっていると聞いた。 細野晴臣のラジオにゲストで出てたよと。 教えてくれた友達とは高校が違うので、思いも寄らない情報の出処にびっくりした。 ただ、そこに共通の感覚からつながる線が見えなくもない。 自分のわずかな周辺

          風をあつめて

          角砂糖

          両手を広げて君を抱きしめたいけれど、僕に残されているのは角砂糖一つ分の勇気だけ 君の笑顔を前にして、僕の勇気はすっかり溶けてしまった 見上げた空はまるで海の底 サンゴがひっそり息をしている 神様は言った 設計図をまちがえてしまった 最後に1本線を書き忘れてしまったのだと 大いなる不注意が僕の人生を少し別の方向へ向けた でも、あぶなかった 神様がもっとヘマをしていたら 僕は今頃海の底で、何百年もの静かな呼吸をしていたかもしれない

          角砂糖

          耳をすませば

          飛鳥山公園に桜を見に行った。 まだ時期が早いのは知っていけれど。 早稲田から都電に乗るか、王寺駅までJRで行くか迷った結果、乗り換えの少ないJRにした。 初めて来たときは、都電の終点まで行ってみたくてここにたどり着いた。 東京の街は切れ目が分かりにくい。 電車が発達しているせいで、いつの間にか街の雰囲気が変わってゆく。 初めての電車に乗るといつの間にか別の空間に運ばれてしまうことがある。 この偶有性が、東京の醍醐味と言ってもよいかもしれない。 お昼はお弁当を食べた。倍の値段

          耳をすませば

          駒場駅の小さなギリシア

          日記 昨日(12/3)は友達が制作として関わっている演劇を見に行った。 中心のテーマは家族。中心は母と娘。その二人は共依存関係にある。スピリチュアルに傾倒する母親、子供がいない弟夫婦。 どことなく普通じゃない部分は提示されているものの、観客の目線からは普通の家族の断面を覗くような舞台だった。 「普通」と「異常」の二項対立的な見方はあって、その対立の捉え方について考えた。 これはおそらく今回の演劇の狙いではなく、個人的に感じた部分です。 世の中にはいろいろな人がいる。「い

          駒場駅の小さなギリシア

          航跡を背にして(Portrait in summer )

          海賊のように寿司を食べた。この世の全てがここに置いてあるという。大航海時代の幕開けである。 鋸山山頂からの眺めは、世界をミニチュアにした。 2人の男がいる。世界の中心はここである。 空は、蒼い。 夏はこの数秒の、儚さのなかにある 彼の哲学的な眼差しの先には、憂いとわずかな希望がある。 別の世界では兄弟だったかもしれない2人

          航跡を背にして(Portrait in summer )

          小瓶のジンジャーエール

          照明の使い方によって、その店の風格が決まるといっても言い過ぎではない。鎌倉小町通りの2階にある喫茶店のそれは、妙である。 ほの温かいオレンジ色の照明は人を照らさない。主人公の座はイスやテーブル、その他諸々の雑具にある。この場において人間が目立とうとするのは傲慢といえなくもない。 光の使い方が上手いというのは、影の使い方が上手いということでもある。物の存在は実像ではなくその影にある。翻って、人間の影ほどつまらないものはない。影を切り取られた人間がやがて死んでいくという話がどこか

          小瓶のジンジャーエール

          夏休みとフィルムカメラ

          熱海駅を出て右手にある仲見世通りには、少し寂しげな旅情がある。 通りの中にいる多くの人は土産物屋を覗いたり昼食どころを探したりしていた。静岡名産のお茶や海鮮丼が彼らの目を惹く。時間を持て余した都心の大学生や、金の使いどころに困っている老夫婦が訪れているこの通りは、単純に言えば誰かへの思いやりと食欲を金に換える装置である。熱海はこの装置のおかげで今も、観光地としての威厳を少なからず保っている。ただその中には、もう役目を果たした部分がいくつかある。閉店した喫茶店や写真館がそれであ

          夏休みとフィルムカメラ

          テープのオモテウラ

          昨日は色々と発見した! TSUNAMIの8mm CDと吉田拓郎全曲集のカセットテープ! 神様に買わないと寝癖がもっとひどくなる呪いをかけるぞと脅されたので買った。ただでさえ呪われてる寝癖持ちだから、これは避けなければならない。 「人生の醍醐味は待ち時間の有効活用にある」とスピノザは言った(はず) 下北沢で好きな音楽に出会うのは、ひとつの情景である。 カセットテープはiPhoneに比べたら不便だ。 一度聞いた曲をもう一度聞きたかったらぐるぐるカセットを巻き戻さなければならない

          テープのオモテウラ

          小説のワンカットだけ書いてみた

           成田は、京子が部屋に入ってくるのをその足音で認めた。足音は、いつもと変わらない響きで聞こえている。人によって立てる音は全く違うものだと、成田は思っている。小さい頃に自分の部屋で寝ているとき、階段をのぼる足音だけで、それが父なのか母なのか妹なのか判別がついた。洗面所で水を流す音も、同様である。 足音が、だんだんと近づいてくる。京子がこちらの方へ進んでくるにつれて、成田は横目で一瞬、その姿を捉えた。意外にも派手な赤色の服を着ている。今までに目立つ色の服を着ている姿を見ることはな

          小説のワンカットだけ書いてみた

          愛を知るまでは

          とりあえずとりとめもなく書いてみる 最近、仕事が大変だなって思い始めた、、! 労働時間がブラックとか上司がパワハラとかそういうものではなく、単純にミスが怖かったり、焦ってしまうことがあったり、いきなり慣れない業務をしなくてはいけないことがあったりと、いわゆる新人が感じる大変さだと思う。 地道に頑張って成長するしかないし、頑張りどころだなって思う。 中には本当に環境が良くなくて、毎日不条理につらい思いをしている人がいると思うと、まだまだ甘い悩みなのかもしれないけど、、 今

          愛を知るまでは