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2022.06.22 〜あしたから出版社〜

ひとり出版社、夏葉社の島田潤一郎さんのエッセイ。
第一部は夏葉社を立ち上げ、この本を作るために起業した、という「さよならのあとで」が刊行されるまでの日々を。そして第二部は島田さんに影響を与えた友人(恋のお相手も!)や、島田さんの大切にしている本屋さんについて綴られたものとなっている。

夏葉社の本は、装丁も文章も、中のイラストも、ずっと手元に置いておきたいような温かさがあるのだけれど、その原動力となっている「この人に本を届けたい」という「この人」への解像度が非常に高い。それは二部で語られているように、いかに島田さんが人と嘘偽りなく丁寧に向き合ってきたか、ということに尽くされているのだと思う。

飾らない文体で書かれる島田さんの創業の日々は、微笑ましくてついフフフッとなってしまうんだけど、右も左もわからないはじめての編集作業や、ひとりでの書店営業など、どう考えても大変だろう……というエピソードもどこか軽やかに聞こえてしまう。
島田さんはしなやかで、ほがらかで、そして、たくましい。

人の心に寄り添って、その心の力になるような本を、ひとつひとつ作っていく夏葉社さんを、これからもずっと応援したい。


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