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『けものたちの名前』が出来るまで vol.21〜Mix Engineer・Jonathan Low〜

今思えばあれは奇跡の出会いだった。

2013年12月27日
At Philadelphia / US “Miner Street Recordings”

僕がロットと出会う前、彼らは既に自分たちが憧れるUSの音楽スタジオにアクセスをとっていた。
その中の一つが Kurt Vile や Sharon Van Etten などの音楽を排出しているMiner Street Recordingsだった。

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felicityレーベルとの契約が決まり、1st Albumにも関わらずUSレコーディングにレーベルはOKを出した。
三船の大学の同期の友達と4人、何十年に一度の寒波が襲ったNYを経由し、フィラデルフィアのスタジオへ向かった。

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もともとコンタクトを取っていたのは氷河期、冒頭2曲のプロデューサーだったBrian McTearだったが、「若いエンジニアでいいのがいる」とメールにあったのがジョンだった。

とんでもなく話が早かった。
ジョンは既に The National のプロジェクトに関わり始め、Dessner 兄弟のプロジェクト関わっていた。また、Sufjan Stevensがちょうどエレクトロニックなアプローチに傾倒していった頃の録音にも関わっていて、まだレコーディング途中の音源などを聞かせてくれた。

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つまるところ、目指したいサウンドの秘密を彼は知っていたのだ。
三船とも同年代でアジア系にルーツを持つジョンは派手なアメリカ人ではなくどちらかというとギーク、機材の話が大好きだった。

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1st Album『ROTH BART BARON's The Ice Age』では全曲を彼がミックスしているのだがこんなに美しいミックスを作れるエンジニアにあったことがない。

実は『HEX』の時、Jon にも連絡を取っていた。
が、スケジュールがいっぱいで引き受けてもらうことができなかった。
なので今年はかなり早い段階でジョンにアクセスを試みた。
先方はアメリカなので、午前中のいい時間にメールが届くよう返信のタイミングに注意した。

9/17,18,19ならPhillyに戻るのでそのタイミングなら出来るよ、と返事があった。概ね3曲だなと思い、どの3曲にするかはレーベル担当の平川さん、砂里さんとも相談した。

三船とももちろん話し、どのくらいイメージを共有していたかどうかわからないが、ほぼ意見は同じだった。
この曲はどうしても!という2曲は同じだった。

仕上がってきたミックスはビビッドで美しく、ビジョンがはっきりとある。
今回、ジョンのミックスは3曲です。

そう言えば数年前、ジョンが家族と日本に来たタイミングがあって、彼は渋谷ラママでのライブを見にきてくれた。
そして1日東京観光したことがある。
どこへ行きたい?と聞いたら秋葉原に行きたいということでお連れした。
そして「ラーメンが食べたい」というのでじゃんがらラーメンを3人で食べた。本当にあそこで良かったのだろうか。
店を選んだのは三船です。

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続く。

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