MDP_Day_3 行動観察基礎

今日で3日目の開催となったMDP。毎週火曜日の18:15-21:15という3時間もの拘束ながら、なんとか続いている自分を褒めてあげよう。

テーマ変更

今回からテーマがより医療に近づいていく。エイジングケア商品から「胃カメラ検査の飛沫防止」になった。おそらくは、この後実施されるハンズオンセミナーで実機に触れる、見ることを想定しているんだと思うんだが、これはかなり参加者にとっては、ありがたいことではないかと思う。参加者がデザイン思考(あんまり呼びたくない)に慣れる意味では、良かったが、今回は医療機器開発に特化したWS。だからこそもっと深く医療に飛び込みたい。

リフレーミング

フレームを置き換える、見直すなどの「Re」がついている。医療関係者からよく言われる「○○○がこうだったらなぁ〜」「XXに困ってるんだよね〜」という感想に近いワードには要注意。これに飛びつき、颯爽と解決策を探ってしまって、後戻りできないフェーズになって、「使えない」「商品化できない」事例を多く見てきました。多くはバイアスがかかっていることが原因です。我々クリエイティブは、これをバイアスがかっていることを理解した上で、理解し直す。リフレーミングをする必要があります。

問題と課題

事例として出されたのが問題と課題というワード。

例えば、今私は100kgの体重で少ししんどい思いをしている。ベストは、50kgだ。そうするとベスト=理想=50kgと現状=100kg の間には、大きなギャップがあることがわかる。MDPでは、このギャップを問題と定義している。そしてこのギャップを埋めるための施策を課題と定義していた。

ここで提示された問題は、「体重オーバー」で、課題は「運動する、食事制限する」であった。

コンテクスト

ここで大事なことは、問題として定義された(してしまった)「体重オーバー」がなぜ問題になっているか?ということだ。問題だと思っているが、そうではないかもしれないし、それが原因で病気がちになっている、日頃から疲れてしまうなど、背景にはいろいろな事象があるはずだ。この問題を紐解くためには、コンテクスト=文脈に着目する必要があると思う。

コンテクスト(英: Context)あるいはコンテキストとは、文脈や背景となる分野によってさまざまな用例がある言葉であるが、一般的に文脈(ぶんみゃく)と訳されることが多い。 文脈により「脈絡」、「状況」、「前後関係」、「背景」などとも訳される。 by Wikipedia

今回は医療ということであれば、やはり「病気になりがち」などの問題にリフレーミングする必要があると思う。僕がよく使う言葉は、「具体と抽象の行き来」「レイヤーの上げ下げ」であるが、やってることは同じである。

行動観察マインドセット

MDPでは、そのために必要なマインドセットが定義されていた。

1.今あるものから考える
2.当たり前を疑う
3.問題を完全に解決しようとしない
4.上位の目的を考える
5.分析的に考える

同じチームに医療従事者のメンバーがいたのですが、胃カメラ検査をうける映像を見て行動観察した際に出た言葉が印象的でした。

ベットの縁をあげる って当たり前にしてたから、気づかなかった

そうなんですよね。当たり前にやってるってバイアスがかかると、見えていても、意識の外側へ飛んでしまう。逆に医療従事者ではない人にとっては、これが意識の内側に入ってくるから、気づく。だからよく言われるように、いろんな部署のメンバーを揃えて議論することが大事。一人で実施しても漏れが出てきてしまうので、それを補う意味も込めて、多種多様なメンバーをできるだけ集めること。これが大事になりますね。

「飛沫が飛ぶ」という現象に対して起こりうる結果が「感染する」とした場合、このようになる。

MDP_3_アートボード 1

通常であれば、飛沫が飛ぶから感染するのであって、「飛沫が飛ぶ」という箇所に対して問題定義、ソリューションを考えるのが一般的?であるが(もちろんそれでも良い)そうではなく、一旦感染するまでの間の経路をいろいろ考えてみる。(ピンクの付箋をたくさん出す)コンテクストを観察して想定する必要がある。その経路は、多数あってしかるべきで、そこから出てきた問題に対してアプローチをするか、この判断が非常に重要になる。アイデアは出るが、どれを選択するかで間違うケースもあるからだ。

問題→課題定義

ちなみにチームで問題としたのは、「同じ部屋にいること」と「口が開いているから」の2つ。この後それぞれについて、課題を書き出すブレストを行った。

ユースケース

課題定義を行った後、行動観察ということで、ユースケースを実施。

まとめ

課題はたくさん出すことができるが、如何に突拍子もないようなアイデアを出せるか、これがキーになってくる。そのためには、常日頃から、バイアスを意図的に外して物事を観察するクセをつけておくことが大事だと思う。

個人的に気になっていることは、ここまでのフローが繋がっていないような気がしている。WSの構築はやはり難しいのか、ここはもう少し取り組みながら工夫をしたい。

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