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練習時のポイント

今回は練習時に置けるポイントについて書いていきます。
プロのドラマーとしてどうやって一つ一つのクオリティを上げてきたのか、どんなことを意識して練習しているのか。
何も意識せずにがむしゃらに叩くことが全く練習にならないわけではありませんが、ポイントを意識して練習することで実りのある練習時間になります。
数年間何も意識せずがむしゃらに練習し続けてきた僕が言うのだから間違いありません(笑)

どうすればいいの?

ひとえに練習といっても、何を意識するかによってビートやフィルインのクオリティの上がり方が変わってきます。

まずは
・叩けないビートやフィル、手順等をざっくり叩けるようにする

それが出来たら
・ブラッシュアップ(精度を上げる)

この2つ目のブラッシュアップに大事なポイントがたくさんあります。

ポイントは


・クリックにはめる(リズムを良くする)
・動作の確認
・音量
・スピードアップ
です。
では具体的に何に気をつけていけばいいのかを紹介していきます。

ブラッシュアップに入る前に


・叩けないビートやフィル、手順等を叩けるようにする
これはそのままの意味です!
課題としているフレーズをどれだけテンポ遅くても雑でもいいので、譜面通り、聞こえた通りに叩けるようにしましょう。この段階ではどれだけゆっくりでも雑でも大丈夫です。ブラッシュアップする土台を作ってあげます。ブラッシュアップとは別として考えることが重要なんです。ただ、ここで満足はしないでください(笑)

・ブラッシュアップ
上記でも紹介させて頂いたようにブラッシュアップにはポイントがあります。
何を意識して練習するのかによって、今まで見えてこなかったことが見えてくるようになります。そして今から紹介するブラッシュアップはまとめて意識するのではなく必ず一つ一つ意識しながら練習してみてください。

クリックにはめる(リズムを良くする)


まずはブラッシュアップしたいフレーズをクリック(メトロノーム)に合わせていきましょう。いきなり速くはしないでください。まずは自分が叩けるようになった速度でクリックに合わせられるようになりましょう。

それが出来た方は次のブラッシュアップ項目へ
更にリズムを強化したい方はカウントを口にしながら叩くことをお勧めしています。
なぜか。科学的な根拠はありませんが人の身体の中で一番リズムがいいのは口(言葉)と思っています。その口から発せられたカウントに手足をピッタリ合わせられるようにトライしてみましょう。
カウントは
12345678
でも
1と2と3と4と
でも
1+2+3+4+(英語でカウント。+は【&(エン)】と発音してください。)

お好きなカウント方法で大丈夫です。
肝心なのカウントを声に出しながら叩けるかです。
ちなみに僕のおすすめは最後に紹介した英語でのカウントです。
詳しい発音の仕方やおすすめする理由はこちらから!

16分を綺麗に叩くポイント

是非是非トライしてみてください。

動作の確認


次は動作の確認です。
今すぐにしなやかな理想の動きをしてください!
と言うわけではありません。もちろん自分の理想とするフォームやスティックの軌道などに近づける努力は必要です。が、それは一旦置いておくことにしましょう。ここでの動作確認では、現状の自分の持っている力を最大限出せるようにすることが目的です。

具体的にどういうことか説明していきます。

例えば少し難しい右足が入った8ビートを想像してみてください。
スネアの位置は2拍目4拍目としましょう。
8ビートは
右手のハイハット
左手のスネア
右足のバスドラムから構成されていますね。

まずはそれぞれ一つずつ叩いてみてください。
右手や左手、右足と一つずつならしっかり叩けているのではないでしょうか?
次は3つ同時にプレイした時にそれぞれのパーツが一つずつ叩いた時と同じ動きは出来ているかに注目してみましょう。
叩けていない方はもちろん、叩けているけど違和感のある方も、きっと一つずつ叩いている時とフォームが違ったり、力の入り具合が違ったりしてはいないでしょうか。
一つずつ叩いてる時の動き方や力の入り具合まで落とし込めれば、現状の実力を最大限発揮出来るようになります。
この練習をする時は違和感を感じるパーツを目視しながら練習することが重要です。一つずつ叩いている時と何が違うのか、見ながら考えたり感じたりすることが大切なんです。譜面とにらめっこばかりしていないで、時にはしっかり自分の身体の動きと向きあうことで滑らかな動きを作っていきましょう。

音量


次は音量に注目してみましょう。
このポイントは先ほど紹介した動作の確認に近いです。
今回は上半身と下半身に分けて考えてみましょう。

例えばテンポが100の8ビートを叩くとしましょう。
右足のキックにダブルも入ってきます。

まずはテンポを100に設定して右足だけでダブルを踏んでみましょう。
(テンポ100が速く感じる人は遅くしても大丈夫です。)
これがあなたの本来出せるはずの音量です。
実際にフレーズとして叩いた時にその音量が出せていますか?

上半身と組み合わせることによって、バスドラの音量が小さくなってしまう人が多いと思います。上半身の動きにつられてしまい理想の動きが出来ず、本来出せるはずの音量が出せなくなっていると考えられます。上半身と組み合わせても自分の最大限の音量を出せることを目指しましょう。
ダブルも人によっては得意なフレーズと不得意なフレーズがあると思います。
ですが同じテンポのダブルということ変わりありません。苦手なダブルも得意ダブルと同じだけの音量が出せると理想的ですね。

足にフォーカスして説明しましたが、手も同様です。
足と組み合わせても、手だけで練習した時と同じ音量が出せるように頑張りましょう。

スピードアップ


スピードアップと聞くと繰り返し練習すればだんだん速く叩けるようになると思いがちですが、そんな簡単にはいきませんよね?
僕はよくレッスンの時にこんな例え話をしています。

【テンポ60の16分音符を大きな音で叩いた時と同じ振り幅で、テンポ200の16分音符を叩けますか?】
人間では考えられない程の強靭な肉体を持っていない限りは無理じゃないかなと思います。

テンポアップする時は、その速さに身体の使い方を合わせていきましょう

基本的にドラムって速くなるにつれてスティックやキックの振り幅を小さくしていかなければなりません。つまり速くなるにつれて音量が小さくなっていくのは必然なんです。それを速くなっても遅い時と同じ振り幅(音量)で叩こうとすると、最悪身体を痛めてしまうこともあります。
実際に僕は無理矢理叩いていた期間が長かったため、疲労が溜まり手首を痛めて私生活にも支障が出ました。手首を捻れなくなり、ドアノブが開けられない蛇口も捻れないなど大変な思いをしたので、しっかりとテンポアップのポイントを抑えてもらえたら嬉しいです。

繰り返しになりますが、テンポが上がるにつれてスティックやペダルの振り幅を小さくしていかなくてはなりません。ということはそういうスティックコントロールやペダルの踏み方を覚えることが重要です。

もっと言うと、筋肉の動きや力の入れ方もテンポに合わせて変えていく必要があるので、スティックやペダルだけではなく、自分の身体とも向き合っていってほしいです。

基本的にはリラックス状態で叩けるのが理想です。なのでテンポに対して楽なスティックの振り幅を探しながら練習しましょう。これは小さな音で楽して叩くことを推奨しているわけではありません。あくまでそのテンポの最大音量を出しながら無理のない振り幅です。

ペダルでも同じことを意識しながら練習することをお勧めしています。
自分の中の最大音量を見極めておくことで、速い楽曲を叩く際にも必要以上に音量を落とすことなく叩くことができるようになります。

少し話がそれますが、テンポに見合った最大音量を出す練習も大事です。練習時に大きく叩くことができる方は音量の調整が可能です。(小さく叩くことも難しいですが。)ですが元々音量が小さい方が他パートの方から音量を求められた時にそれが出来ないんです。僕はこの大きく叩くという技術に結構助けられる場面が多かったです。音が大きいというだけでも音圧が生まれドラムに説得力が生まれてきます。もちろん大きな音を出せればいいと言うものではありませんが、出せた方がお得かなと思います。

最後に


まずは叩けるようになりたいビートなりフィルイン、フレーズを見つけましょう。手順などをしっかり確認し、どれだけゆっくりでもいいので叩けるようにしましょう。
ブラッシュアップの順番ですがどれから始めても大丈夫です。
ですが同時に取り掛かるのではなく一つ一つ消化していくことが大事です。遠回りのようですがそれが一番の近道だと僕は思っています。
スピードアップを先に取り組んだ方は、他のポイントを意識して練習する際に必ず一度テンポを落として見直していきましょう。

以上が僕が練習をする際に意識しているポイントでした。
このポイントに気づくまでにきっと同年代の方達よりもとても長い年月がかかってしまったような気がします。ですが長い時間をかけて気づけたからこそ、今こうしてこの記事を書けたのだと思います。
そして、このポイントを意識して練習し始めたら今までの何倍もの速さで成長出来ている気がしています。全然超えられなかったBPMの壁をあっさり超えることもありました。
この記事がどれだけの人に読まれ実践してもらえるかはわかりませんが、どこかの誰かの役に立てたら嬉しいです。

おまけ


叩きたいフレーズの選び方
これも初めのうちはとても重要な選択の一つだと思います。
一番重要視して欲しいことは熱量!このフレーズを叩けるためなら努力は惜しまないと思えること。
例えば誰かに教わったおすすめの基礎練習をするとします。その練習が難しかったり、その練習をすることで何ができるようになるのか分からなければ、全然モチベーションが上がりません。それでも熱を持って取り組めるのでしたら構いません。ですが、練習のモチベーションの根源は、基本的に自分がかっこいいと思えるものに近づきたいという気持ちにあると思っています。なのでなんのためにやっているのか分からない基礎練習に熱量を持つのは難しいのではないでしょうか?そうは言っても基礎練習は大事なのでもちろん僕も生徒さんに基礎練習を紹介するのですが、必ず基礎練習にも意味を与えるように意識しています。この曲を叩くためにこういう基礎練習をすると叩けるようになると。なんとなく課題にされる基礎練習よりも、これを乗り越えることで出来ることが何なのか明確に見えていた方が、モチベーションも上がるのではないでしょうか。

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