ドラムの音色を操ろうとする時、ドラムの音色ばかり気にしてませんか?
今回はドラムの音色について少しお話しようかと思います。
ドラムを演奏する時、様々に音色を変化させて、表情豊かに演奏しなければならない時ってありますよね。
そんな時、あなたならどうやって音色を変えますか?
よくやる方法としては、スティックを当てる場所や角度を変える方法とか、指・腕を操作して音を変える方法などでしょうか。
いっその事、チューニングや楽器を変えてしまうという方法もありますね。
ネットや雑誌を見てもそういった情報がよく流れているし、具体的・理論的で分かりやすいですね。
そしてそれらは間違いなく、ドラムにおいて重要な内容です。
なので音色のことを気にすると、そういうことを考えながら練習に励むことになるでしょう。
しかし、演奏中にスティックの角度や指の操作などをいちいち考えながら演奏すると、どこか「音楽」が置いてけぼりになってしまう感じがありませんか?
本当は音楽に集中したいのに、体や楽器のことに集中力の何割かを取られてしまう。
これはもったいないです。
実は、もっと繊細に、多彩に、そして簡単に、音色を操る方法があります!
それは、
「音をイメージしながら叩く」
ということです。
え?
ああ、聞こえますよ。
「そんなの当たり前じゃないか!」
「何をもったいぶりやがって!」
って声が。
分かります分かります。
まあ、そう言わずに聞いて下さい。
単に音をイメージすると言っても、「何の、どんな音をイメージするか」が重要になります。
で、普通に考えたら、ドラマーがドラムの音色のことを考えてドラムを叩くわけですから、「どんなドラムの音を出すか、具体的にイメージする」ってことになると思います。
そのために色んなドラムの音を聴くことが大切だと、よく言われています。
まあ確かにそれも大事です。大事なんですが、、、実はそれだけだとドラマーのドラマーによるドラマーのための音色になってしまいがちです。
それって結局、独り善がりの音にしかならないんですよね。
そうじゃなくて、楽曲にマッチした、他の楽器の音と融け合うような音を出すにはどうしたらいいかというと、自分の楽器の音をイメージするんじゃなくて、
自分の「周りの音」をイメージする
ということが大切です。
ベースやギターがどんな音を出しているか、どんなコードを弾いているかを聴いて感じるのです。
はっきり言って、ドラムの音なんて、わざわざ聞かなくても聞こえます。
自分で叩いてるんですから。
そうではなく、他の楽器で奏でられているメロディやハーモニーをちゃんと感じながら演奏すると、周りの音としっかり馴染む音を出すことができます。
例えば、C Am Dm G っていうコード進行の曲があるとしたら、その時に聞こえる「他の楽器の音」や「コード感」をしっかりイメージするんです。
ただ、それだけ。
さらに突っ込んだ言い方をしてみると、
「そのメロディーやハーモニーを、ドラムで鳴らすつもりで演奏する」
ということになります。
それだけのことで、単純に手を上げ下げして鳴らした音とは、その質感に雲泥の差が出るんです。
上級者じゃないとそんなに違いは出ないように思われるかもしれませんが、これは初めてスティックを持った方でも、やってみれば違いは顕著に出ます。
レッスンでもよくこの話をするんですが、面白いくらいに違いが出ますよ。
要するに意識の問題ですね。
ジャズとかで複雑怪奇で難解なコード進行の曲をやるとしても、ドラマーはただ同じパターンを繰り返せばいいから簡単 ♪ って思ったりするかもしれませんが、大間違いです。
技術的には単純かもしれませんが、脳みそはフル回転です。
ドラムが歌ってるな~と感じるときは、必ずそのドラマーは曲を理解して、楽曲に対して様々なことを強く感じているはずです。
曲を感じず、コード進行を理解せず、単純に小節数だけを数えてるような演奏は、すぐにバレます。
「あ、この人全然分かってないな。歌ってないな。」と。
ただ、ドラムの音色がなるだけ変化しない方が良い音楽もありますね。機械のように均一に叩くことも、時には必要です。
でもそれはそれで歌わなくていいってことではなく、「そういう音」をちゃんとイメージして演奏するのです。
注意すべきは「そういうドラムの音だけをイメージ」するのではなく、
「ドラムも含めた音楽全体の音をイメージ」しながら演奏することが大切です。
あくまでドラム目線ではなく、音楽目線で捉えます。
そうすれば、何とな〜く叩くよりもさらに魅力的な音を出せると思います。
日頃、ひとりで練習するときでも、メロディやコードを奏でるつもりで演奏してみてはいかがでしょうか?
それでは、みなさんの音楽ライフがさらに豊かになりますように。
高知で音楽スタジオの経営を始めました。
八囃藏(はっそうぐら)というスタジオで、非常に落ち着ける空間です。http://hassoh-gura.com
ぜひホームページを見てやってください!
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