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江東試験場での絶望と希望:ハンドルを再び握るまでの道のり②

前回のあらすじ:
前回は、脳出血で倒れた僕が、国立リハビリテーションセンターでのトレーニングの結果、再び免許をとっても良いというお墨付きと、主治医からの「問題なし」の診断書をもらうところまでをお伝えしました。
今回は、それらを携えて、免許センターでの更新作業をお伝えしていきます。「ハガキが来て免許センター行って更新するだけだろ?」と簡単に思ったそこのあなた、ぜひ読んでみてください。結構苦労したんですよ。。。

江東試験場に身障者用駐車場があること知っていました?


僕が行ったのは江東試験場。2021/9/21の水曜日。この日は、初台にて作業療法のリハがあり、その足でそのまま江東試験場までいきました。

さて、その江東運転免許試験場、何やら序盤から怪しげな雰囲気です。

事前に確認したところによると、江東試験場には身障者用駐車場があるということでした。しかし周りを一周しても全くそれらしきものが見当たらない。しかたなく、離れたところに路駐して、妻が玄関の守衛さんに聞きに行くと、「身障者の人ね。入り口で言えば開けてくれるから」と何ともそっけない感じ。入り口で言うと、本当に開けてくれた。

身障者用駐車場の入り口。係員の方が立っているので、その旨をいうと開けてくれる。
【出所】http://blog-imgs-44.fc2.com/b/a/r/barrierfreetour/20100531095033e58.jpg

5番のお姉さんとバトル

さて、最初に現れたのは、失効受付の5番のオババおねえさま。この御仁に、6ヶ月以上の失効+一定の病気であるとの申告をしたのですが、大変でした。何が大変だったというと、まず、診断書を一瞥して、「診断書の記載日から1ヶ月以上経過しているからだめ」との先制ジャブ。

しかし、診断書の有効期限が1ヶ月とはどこにも書いていません。いずれにせよ、今回、診断書の記載日から免許の更新申請までに時間がかかったのは、国立リハビリテーションセンターがコロナ対策で予約を絞っていたからであって、こちらには正当な理由がある。そんなわけで必死に食い下がりました。

すると今度は、前回の免許更新期限を過ぎた「やむを得ない理由とその期間を証明する書類」が無いからダメとの強烈なストレート。

これは、私のミス。聞くと、入院期間が記載されている必要があるとのこと。よって、「今日のところは出直してきな」とオババ(もう面倒なのでそのまま)。

意気消沈していたところ、「あ、生命保険会社に提出する診断書がちょうどあるけど、あれどうかな?」嫁さんがいうので、書類を確認したところ、入院期間がある。「これでどうですか?」と聞くと、いかにも「チッ」という感じで渋々と書類を受理してくれたのでした。

「では、11番に進んでください」

11番とはなにか。適性検査です。適性検査といえば、通常なら視力検査のことを示すのですが、ここが大きく違うところです。

適性検査とは?

これは、簡単に言うと、病気や障害などを持つ人が、運転可能かどうかを判断するところです。また可能な場合、どういう条件があれば可能かを判断してくれるところです。
以下のURLにもある通りですが、ただ、「お気軽に相談ください」、というようなふんわりした場所ではなく、事実上クビがかかっている場所といえます。(現に、僕の前に相談していた人は、「ゴメン、もう免許は諦めて」といわれて、「免許返上のメリット」というパンフを渡されていました。。。)

さて、ここで出てきたのは、ものすんごいおっかない警察官。柔道の達人と思しき躯体を持っていることから、内心では、「恐い内山くん」などと呼んでいました。。。

さてここでやる試験は、ブレーキの踏力試験。これは、所沢の国立リハビリセンターでやったのと同じです。もう一つが、クルマのシュミレーターに乗り、実際のコースを走り、危ないシーンでどれほど先回りして危険回避出来るか、というものです。いずれも、今にして思えば、誰でもできる簡単なもの、程度のものですが、当時の僕はもう必死でした。

適性検査の結果は?

2つのテストが終わり、結果はすぐに出ました。「あなたは合格なんだけども、条件をつけさせて貰います」との事です。「まずオートマ限定が1つ。それで左アクセルの条件をつけさせて貰います」。まあ、これは聞いていた通りだから仕方ない。AT限定免許など、ある意味仕方ないし、病気が回復したら、鮫洲の試験場にいけば、MTの免許を復活することもできるので、まあこれは大したことはないなと。ただ、次の一言がショックでした。

最後にオートバイ。これは大型バイクも含め諦めてもらいます。この条件を飲めるのであれば免許を発行します。やりますか?」と言うものでした。

これはショックでした。一定の期間乗れないというものではなく、剥奪だと。

ただ、実際、乗れるほどになるには、あと何年掛かるのか分かりません。とはいえ、内山くんは待っているし、もう事実上答えは決まっているのです。

「はい。その条件付きで結構です。バイクは乗りません。」

とこの言葉を待ってから、内山くんは、「じゃ、ここにバイクに乗らない旨書いてくれる?」と言ったのです。「そこまでやるのか(しかも手書き?!)」と思いながらも、その旨を慣れない左手で苦労して書くと、内山くんは事務的に、申込用紙に次々とハンコを押して、「はい、次は5番ね。」と伝えたのです。

再び5番へ

で、ここからは、普通の免許更新と一緒です。証紙の購入、視力検査、そして講習を経て、ようやく新しい免許を手にしました。

新しい免許は、ちょっと不思議な感じを受けます。左下の取得日は、令和3年9月21日となっており、新規ドライバーと同じなんですが、色はゴールドというものです。では、再び初心者マークをつけるのか、というと、これは、初心者標識免除というハンコが押されているので、不要ということになります。

「初心者標識免除」というハンコが押されている、ゴールドで取り立て免許

さて、自分の中では、もやもやが残るものの、これで一応免許を取ることができました。
ただ、これで終わりなわけではなく、まだ車の改造をしないと免許の条件違反になってしまいます。
では、次のパートで、車の改造についてまた、触れてみたいとおもいます。

参考文献


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