ベース担当楽曲のお話【おしばなちゃん 1st Album 「ハートピー」編】

ちょっと実験的に担当させて頂いた楽曲の話しを文章にして書き出してみようかなと。ベースラインのこととか制作中のこととか

今回は先日のM3で頒布されたおしばなちゃん 1st Album 「ハートピー」から収録担当させて頂いた3曲の話し。


各種サブスクでも配信開始しているので読んだあとにまた聴いてもらえたらベースが今より少し面白く聴こえる、そして僕もハッピー。
サブスクはこちら↓



#OSHI87CHAN_PROJECT

全楽曲ボーカルをつずなさんが担当されますが、声質が本当好きで多分何歌っていても好きかもしれない…めちゃくちゃキモいこと言ってるかもしれないけどご本人には見られないと思うので大丈夫です。

作詞家の小紫花さんの立ち上げたプロジェクトですが、めちゃくちゃお世話になっているので是非チェックしてもらえたらなと!


Tr.2 斜陽(ハートピーVer.)

この楽曲は元々先にリリースされていたものを、今回アルバムVerとして新たに自分のベースに差し替えるという珍しい形でのご依頼でした。

原曲↓

この楽曲がリリースされたタイミングで後述の「リフレイン」のご依頼頂いていたのもあって、小紫花さんに「なんでこの曲の依頼くれなかったんですか!!」と愚痴りました笑
(本来ご依頼頂く身なのでこんなこと言ってはいけない…)

その流れがあったからこそアルバムVerとして弾かせて頂けたらしいので…今回は言ったもん勝ちでした。

この楽曲の収録は"元の雰囲気を壊さないように"というのを一番大切にしていて、元Verと聴き比べてもらえるとわかりやすいんですが
「元の打ち込みベースラインを尊重しつつ、良いところはもらって足りないところは付け足す」「ラスサビだけは…」がコンセプト。

原曲から自分のベースが入っていたら勢いや雰囲気も全然違う感じになっていたと思うので、アルバムVerとして収録したからこその仕上がりが気に入っていたりします。
それと同時に生ベースだからこその良さみたいなものも伝わっていたら嬉しい。

因みにラスサビ6小節目と11~12小節目のフレーズがめちゃくちゃ美味しい


Tr.3 リフレイン

そう、バラードです。
昔程苦手意識はなくなったんですが、バラードほど演奏するのに神経使うことはないのでは?と思ってます(個人の意見)

自分の特性?個性?癖?、良くも悪くもベースラインが動くので下手すれば邪魔になる可能性もある
極端な話し楽器の多いポップな曲調程枷が外れて動いているのは土台を守ることに執着しなくて良くなるのと、遊んだほうが楽曲としてもちゃんとプラスとして反映されるからですね。

これも個人差のある話しだと思います。
ベースは低音を担うべき、コード感を維持するためにルートを取るべき…色んな演奏者がいるし多分どれも正解。
こういうのは作曲者さんとの相性もあるだろうなと!

この「リフレイン」に関してはそんな曲者ベースが入ることを想定してスペースを作った状態で音源を出してくださったらしく
楽曲の中でベースが占める割合がすんごく多くて…自分の為にスペースを作って頂いてるという有り難さと共に「怖っ!」ともなっていました笑

1Aが最難関、あの「ダッダー、ダッダー」のシンプルなリズムを守り続けるのが難しい…2Aは少し音数が増える分気持ちに余裕が
2Bで歌うようなベースラインになってるのがお気に入り。

フレーズ自体難しいものは使ってない分、随所でスライド気味に入る感じとかそのスピード感だったり音を伸ばすとか切るとか…音楽をしていない方でこういう部分に耳を傾ける人もそう多くないと思うので
これを機にそういう聴き方でも楽しんでもらえたらなーと。


Tr.4 憧憬スターラインズ

めちゃくちゃベース動いてます、そりゃもう「おまえどうした?」って感じるぐらい動かしてしまってます。

自分の演奏=ベースラインが動く、みたいな印象になりつつあるんですが実際は毎回携わらせて頂く楽曲毎に自分の中で「楽曲から飛び出さないように」とバランスは考えてます。
とは言え安牌取って納品するぐらいなら攻めてリテイクもらいたいのでたまに「やりすぎ」と怒られますが、デモに動き回るフレーズがあったとしても自分がしっくりきてなかったら落としたりします。
考えてはいるんですよ、実は。

そしてこの「憧憬スターラインズ」に対しては、自分のルールを破って収録してます。

デモを頂いたときに曲調の雰囲気やスピード感に対して楽器パートに物足りなさを感じたんです。良いとか悪いではなく勿体ない…って。
そういう雰囲気を意図的に出しているのか、そうなってしまっているのかっていうのは演奏者の自分には実際のところわからないですし
自分のような立場の仕事って「その楽曲に相応しいものを入れること」なので物足りないとかは出過ぎた思考だとも捉えられるんですが、自分の感覚を楽曲に混ぜてより良いものに…というのも大事な役目

こういうのって作曲者さん毎に違いますし、オーダーがっつりして頂くこともあれば「お任せで!」のときもあるので演奏するだけがこの活動じゃないってところに難しさと楽しさがあるなっていつも思います。

話し戻します。


凄く偉そうであまり言いたくないんですが、自分にご依頼下さったということはある程度ベースが動くことを承知のはずだとも思っていたので
①楽曲のボリューム感の中に納める
②ベースで全部引っ張って行く
この二択で迷った結果後者で納品させて頂きました。

シンプルなベースを入れても楽曲としては成立するのでこれは好みの問題…ご納得頂けなければそのときは喜んでリテイクするだけなので増し増しにしたらそのまま通してくれました笑

結果、自分がベース担当してなかったら絶対こうはならなかっただろうなという楽曲になりましたし
ねこぜさんご本人が気に入ってくださったので全部OKです。

因みに思うままに弾いているので解説もできません
やりたい放題で楽しかったです笑


あとがき

色々書いてみましたが、どうしてそういうベースラインになったのかっていう思考的な話しと制作秘話みたいな内容になっちゃった。

基本的に自分で自分の演奏を解説しようとすると細かすぎて書けないんですけど、携わらせて頂く楽曲それぞれ毎回色んな気持ちとか考え、拘りを持って大切に収録させて頂いてるので
こういう文章も楽曲を聴いてもらえるきっかけの1つになったら良いなと。

とは言え全ての楽曲に対してここまで赤裸々に語れるわけでもないんで、需要なかったり飽きたら全然やめますが次回分までは書いてあるので読んでくれたら「長い文章書いて良かったな~」ってなります笑

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