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リモートワーク(だけ)ではジェンダー平等は実現できない ーー withwork week@国際女性デーのお知らせ

こんにちは、XTalentの上原です。
最初にお伝えしてしまいますが、今回は告知のためのnoteです!

はじめに、イベント告知から


国際女性デーにあわせ、「#キャリアとライフはトレードオフじゃない」というコンセプトで、上記のイベントを開催します。
1週間、毎日1回以上開催するという、もはや狂気じみたスケジュールなのですが、素晴らしい企業の経営陣の皆様が今回ご賛同をいただきました。
タイムテーブルもご紹介しますので、ご都合つく日でぜひご参加ください。

オープニングイベント
ジェンダー/年齢のバイアス
企業ドメインとDE&I
アーリーステージの成長加速とDE&Iにおける展望
組織におけるDE&I推進プロセス
ダイバーシティ採用にどう取り組むか
業界の同質性
ボードメンバーの育休取得経験は経営にどう活きるか
仕事と育児の共存
クロージング

そして、このイベント実施に至る背景として、このような調査レポートを今回出しております。

定量・定性から職場のジェンダーギャップを可視化

今までこうした調査レポートには自分も沢山目を通してきました。しかし、「なんか違うんだよなぁ」という違和感、また多くのワーキングペアレンツのキャリア相談に乗りながら、まだ社会に可視化されていない課題感をずっと抱いていました。それがこの調査の出発点です。

【既存の女性活躍関連調査との違い】

Ⅰ. デュアルキャリアカップルに焦点を当てていること
育児休業(以下、育休と記載)後も「自律的なキャリア構築をしながら自己実現のための仕事として働く」キャリア意識の高い男女を対象に、職場面・家庭面の双方から分析を行いました。また、これまで「女性活躍」が「女性側」の視点や事情でのみ語られがちだったのに対し、本調査では「男性側」の視点にも焦点を当てています。調査主体者が「育休後の女性に起こっていることは、妻側だけの事情ではなく、夫側の事情も大いに影響している」という問題意識を持っているためです。

Ⅱ. これまで質的にしか語られてこなかった「なぜ?」の部分を定量データとして可視化したこと
これまでの調査では、「マミートラックに陥っている女性:〜%」「女性管理職比率:〜%」「男性育休取得者数:〜%」といったファクト情報のみが語られ、その背景(なぜそうなっているのか?)は、個人の経験や感覚値など、質的なものとして語られてきました。本調査ではその背景を定量データとして明確に可視化しています。

【調査主体:XTalent株式会社、調査実施機関:株式会社Enbirth】

 詳細なレポートは以下からご覧いただけます。


育休後に下がる昇進意欲

一番わかりやすいメッセージは、このデータかと思います。
そもそも明確に「昇進意欲がある」という女性が全体の16%、そしてそのうち13%が育休後に昇進意欲が下がったというデータです。

育休を機に起こる女性の意識の変化:昇進意欲の低下(育休前⇒育休後)


もちろん、「そもそも昇進意欲がある=昇進の候補者である」とは言えません。それでも、意欲がある人の大半がその意欲を失ってしまう、というのは極めて重要なファクターではないでしょうか。
また、これをみて「やっぱり母親になると価値観が変わるよね」という印象を持つ人もいるかもしれません。

「残業ができたらもっと評価されるのに…」と思う女性は37%存在

一方で、このデータから見えるのは価値観の変化というより、シンプルに「諦め」ではないでしょうか。
「子どもが出来てから価値観が変わった。より社会への意義を感じられる仕事がしたい」という声は実際求職者の方とお話していても沢山お聞きします。しかしそうした変化とは全く異なる軸の、「子育てによる制約のため、機会や評価を得られない」という失望を感じている方が沢山いるのも、やはり事実だと感じています。

課題のセンターピンは「ケア責任」の偏り

ここでは、「家庭環境」という切り口からのデータです。
このグラフはちょっと見方が分かりづらいかもしれませんが、要するに

  • 家事育児の負担について、男女関わらず50%・50%を希望している

  • なのに実態は、女性への負担へと偏っている

という状況が見て取れる内容です。

理想の家事育児分担比率は、男女共に50% 。しかし実際は、男性:0~50%、女性:50~100%


そしてその裏にあるのは、「女性が家事育児と両立することは支援するが、そうした制度を男性が使うことは歓迎されていない」という組織の風潮です。

制度は「女性」が使うものと思われ、「男性」は使いづらい

これは自分の主観に過ぎません。それでも確かに、「女性の育児と仕事の両立を良しとし、男性の両立を良しとしない風潮」がまだまだ残っていると感じています。
男性が「一年間育休を取得します。」と言ったとき、何も言わずに歓迎する
会社は、まだまだ少ないと思うんですよね。自分自身、過去育休を取らなかったという体験から、やっぱりそういう認識があったのではと思います。
(「うちの会社はそんなこと無いけどなぁ」と思った方。いい会社にいらっしゃいますね!)

女性も男性も、バイアスに囚われている

自分も男性の立場からこのような事を話していますが、「男性の価値観の古さが悪い!」という主張をしたいわけではりません。
ジェンダーバイアスによって、「男性も女性も、生きづらさを感じている」ということが自分の主張であるためです。(あえて男女、という二択で語っていますが、本質はそこに留まりません)
ジェンダーギャップの解消や多様性がもたらすものは、性別や属性に関わらずあらゆる人が自分らしく活きるために必要なものです。

そしてこのデータから見えてくるものは、「女性も男性に対してバイアスを抱いている」ということです。
転職支援をしている中で気づいた傾向が一つあります。それは、「女性は年収は下がってもいいので・・」から始まり、「男性は〜だけど年収は下げられない」で終わる、という傾向です。「大黒柱バイアス」なんて言葉も生まれているくらい、男性に対するバイアスも同時にあるのです。

キャリア意識の高い女性は、パートナーに対してもキャリアを求める傾向


これから法改正に伴い男性育休の流れも加速していきます。
誰もが自分らしく生き、個人も企業も成長していくうえで、XTalentは価値観のアップデートに伴走していきたいと強く思います。

真のDE&I(Diversity,Equity&Inclusion)に取り組んでいくために


ここまで書いて、まだまだ自分たちも課題ばかり。むしろ、完璧な会社なんてほぼ無いと思っています。
そんな中でも、withworkとお取引頂いている企業の方々がこの取り組みに強く参道いただきました。今回のサーベイ調査にはwithworkユーザーと、withworkクライアントの社内の皆様に沢山のご協力をいただきました。

DE&Iの実現に向けて奮闘する企業の皆様とのイベント、ぜひご参加ください!


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