見出し画像

「人生はいつだって完璧」がこの本で腑に落ちる

自己啓発本を読みふけっていた時期がありました。
脱サラを考え始めた頃です。

書籍の中のポジティブな言葉に、背中を押してもらいたいという気持ちがありました。

しかし、当時の自分の気持ちには、なかなか入ってきませんでした。
やはり、著者の人生を通しての心の中の言葉でなければ、こちらの心の奥底までは響きませんでした。

なかなか「腑に落ちる」まではいたりませんでしたね。

私は、講演の仕事で小~高校に行って話す機会があります。
生徒が対象だったり、保護者が対象だったり、まれに両方に話すこともあります。

そんなこともあって、そいさんがkindleで出版されている「人生の根っこ(全3巻)」を読みました。

最初は、教師と生徒の関わりに興味があったので読み始めました。

自分の生徒時代がよみがえり、子どもたちが生徒の頃のことが懐かしく思い出されました。

タイトルに「若者よ!人生は花より根っこだ!」とあるので、内容も若者に対するメッセージで、若者時代を遠い昔に通過した自分としては、第三者的に楽しませていただこうという気持ちで読み進めました。

ところが!
それがとんでもない誤解で、こんな年齢になった自分に、深く刺さる内容でした。
なので、これを私ひとりで味わっていてはもったいない、と思った次第です。

第3巻まで読み進めることで、教師のやりがい・充実感・苦悩・葛藤などが深く入ってきました。

いじめ問題や学級崩壊について、教師の視点ならではの生々しさで書かれていました。

当時の先生、すいませんでしたっ!!


今でこそ「仏の石川」と呼ばれる私ですが、小・中学校は問題児として過ごし、高校生になるとブンガクにかぶれ、ことあるごとに教師に反抗し、授業中も反論ばかりしていました。

停学中も、家庭訪問に来た生活指導の先生と口論になりました。
口論というか、私が激怒して罵倒したんですが。

当時、ビートルズにかぶれていた私は、部屋に「Let It Be」の巨大なポスターを貼っていたんです。
それをみたその教師がひとこと、
「きたならしい!」
と口にしたんです。

長髪とヒゲが気に入らなかったのでしょう。

血気さかんだった当時の私は、教師の偏狭な価値観を攻撃する言葉を発しながらつめよりました。
そんな私を、母と担任の先生が間に入ってなだめにかかりました。
今の私からすると、自分のどこにそんなエネルギーがあったのか不思議でしょうがありません。

言い合いを止めた私に、担任の先生が、
「俺は、石川の言ってることは正しいと思う」
とポツリと言いました。

ふだん、無口で気弱そうに見える先生が、あえてそう言ってくれたことに驚いたことを覚えています。

「若者よ!」を読みながら、当時の先生のたいへんさに、申し訳ない思い炸裂でした。

しかし、先生との相性もありますが、先生が事務的に接しているのか、本気で接してくれているのかは、生徒にはすぐにわかりましたね。

息子の中学生時代の学級崩壊を思い出す


生徒指導部として、学級崩壊した学年の生徒たちとの悪戦苦闘ぶりはとてもリアルで、先生じゃないと書けない描写でした。

私の長男が通っていた中学が、すごく荒れていた当時のことを思い出しながら読みました。

運動会などのイベント事のときには、必ずパトカーが配置されていました。
田舎の中学校でもここまで荒れるのか!?
と、参観日のたびに驚きました。

防火シャッターは降りており、クラス名が表示されたプレートはすべてなくなっていて、廊下はおそろしいほどゴミが溜まっていました。

授業中に、上階から消火器が落ちてきたり、ガラス窓が枠ごと落ちてきたりしていたそうです。

しょっちゅう保護者が集められ、すさんだムードの中で意見交換したものです。

「若者よ!」を読んでの大きな学び

第3巻には、

「問題から逃げると、同じような問題が繰り返される」

という言葉が、生徒指導で挫折を味わった主人公の独白で口にされます。

第3巻を読み進めると、この言葉が、「なるほど、確かにそうだ」と腑に落ちてきました。

「生徒を信じる」

主人公が今いちど原点に戻って語るこの「信じる」というのは、学校教育だけではなく、家庭での子育てでも、私たち自身の日常でも、非常に重要だとあらためて気づかされます。

自分の子どもを信じる
自分自身の能力や可能性や存在自体を信じる

それが原点であることも、気づかされます。

いつだって『自分の思い』が初めにあって、それが『世界(現実)』を想像している

思念が実現 啓発本の言葉であれば腑に落ちにない言葉も、おそらくは真実に近い創作の文章に触れると、すんなりと納得できてしまう。

物語の力と事実の力の両方が、備わっていると感じました。

主人公は、
本当の自分を知る
相手は、自分を映す鏡

それらの気づきについて語ります。

さらに、自分自身が自己肯定感がとんでもなく低いことに気づき、やがてそれを克服します。

まさしく、人間の成長,遍歴を描く見事な「教養小説」となっています。

ぜひ、第3巻まで通読されることをお勧めします。

あっ、11日の16時まで無料だそうです!


もしサポートしていただけたら、さらなる精進のためのエネルギーとさせていただきたいと思います!!