44歳、人生初タピオカ体験
~息子に教わる現代スイーツの作法~
「ゴクッ...ゲホッ、ゲホッ!」
人生で初めて飲んだ、タピオカミルクティー。
そもそもタピオカってなんやねん?
娘と息子と一緒に注文したのは、若者に人気の「ゴンチャ」のタピオカミルクティー!
なんかトッピングの、あれこれや、サイズがどうちゃらこうちゃらと、どれがええねんとか娘にあーや、こーや聞きながら決めたやつをぶっといストローで口に運び、意気揚々と一口目を吸い込んだ瞬間、むせた!
黒くツヤのある真珠のような見た目から、その名も「ブラックパール」と呼ばれるタピオカ。第一球は、いきなりの速球のごとく喉に襲いかかってきた。
心の準備が出来てなかったおっさんは、見事にその投球に打ち取られた。
気を取り直して第二球。今度は魔球さながら、一気に四つものブラックパールの喉攻め!
またむせた。
「なんやねんこれ!おっさんにはこの黒い球、喉ちんこで撃ち返すことしかできんぞ!」
正直これは素人には手に負えん!
そう悟った私は、息子に「飲んでみぃ」と託すことにした。
すると普通に、息子は慣れた感じでタピオカを次々と飲んでいきよった!
そう、例えるならベテランバッターのような手際の良さ。
息子が口に含んで、もぐもぐしてる姿を見て気づいた。
タピオカはグミに似た食感で、よく噛んで味わう必要があるんやなーっと。
ただ水分と一緒に流し込もうとすると、当然むせてまう。
44歳のおっさんが、若者文化の代表格であるタピオカドリンクに挑戦し、まさかの撃沈。
しかし、息子から飲み方を学ぶという、思いがけない親子の絆が生まれた瞬間でもあった。
時代は確実に変化している。タピオカという一粒の黒い珠が、世代間ギャップを優しく埋めてくれた、そんな心温まる体験だった。