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リフトが上手ければ高い⁉ 〇ラインアウトの高さの件③

①身長編では、身長の高さが如何にアドバンテージがあるのか再確認しました。
今回は、②リフト編です。

こんにちは。
クボタスピアーズ 今野です。



〇リフトが上手ければ高い⁉

リフト編は、変えられない身長という要素以外の、

「自分達がコントロールできる部分で、最大限の高さを出す為に必要な要素は何か?」

という事を考えて、整理した内容となっており

「正解はこれだ!」という感じではないです。

また、実際に総合的な視点でリフターに必要なスキルは何か?と考えると、高さだけでなく、準備や、動き出してからジャンパーが上がるまでのスピードに関係した要素等も非常に大切です。
ただ、あくまで今回は「高さの件」なので、そこに絞って書いており、他の要素には特に言及しないようにしています。

※「リフターについて」:今回はリフター/リフトと言いますが、実際にはただ持ち上げている訳ではなく、ジャンパーがジャンプするのをサポートするサポーターという認識の方が近いと思います。
体重が同じでもジャンパーのスキルやジャンプ力によって重さは全然違います。リフト ≠ 持ち上げているです。イベントでジャンプの体験をされる時などに思い出して頂けると幸いです。


1.リフトの構造的な話

見出しが堅いですね。教科書的です…。
主に、ジャンプポッドは、ジャンパー+2人のリフターの3人の組み合わせとなります。(1人で上げる事もあるし、ジャンプしないで獲得する事もあります)
その為、構造的な話としては、下記2項目が高さに関与すると考えられます。

①シルエットを A → I へ近づける
「高さ」にフォーカスした場合、リフトした状態を横から見た時に、Aの形より I の形にできるだけ近づけるようにします。

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つまり、「上げた時にリフター同士が顔と顔、胸と胸がくっつくくらい歩み寄る」と言うことです。

中学生くらいで習う、三平方の定理というやつですね👍
(残念ながら数学は得意でも好きでもありませんでしたが…)

三平方の定理


c が、リフターなので、ジャンパーに近づく= a の底辺が短くなると、b の高さが上がります。

ただ、計算するとそこまでめちゃくちゃ高くなる訳ではないです。
でも、結果的に1、2cmが関わってくる場合もあるので、頑張って損はないでしょう。


②後ろリフターが持つ場所を低くする
これは以前の投稿でも軽く言及しました。
記事内の要因2の話です。

では、「後ろリフターが持つ場所を低くする」と言うのはどういう状態でしょうか?
下記に比較画像を貼りました。

左の画像は、一般的な形で、前が膝上くらい、後ろがお尻の下を支えているイメージです。
前後の身長差が大きい為、後ろリフトがこれよりも下を持つと、前リフトは手が届かなくなります。
その為この組み合わせだと、これがほぼMAXの高さになると思います。

右の画像が、持つ場所を低くしたイメージです。
手しか見えませんが、前後の手の位置は同じくらいの所に見えます。
後ろリフターが誰か不明ですが、前リフトである195㎝の松井 丈典選手の腕が伸び切る位置まで上がっている事がわかります。

画像3

以上のように、単純に高さを求める場合、「持つ場所を低くする」は有効であると考えられます。

ただ、左の画像のように前後のリフターに身長差がある場合は、使いづらいと思います。
また他にもいくつかデメリットもあるので、常にこれを狙うのが良いかはチームの優先すべき事によって違う事があります。

※追記:3に追記しましたが、「低い場所を持つ」為には、投げるイメージで上げて一度リフターの手からジャンパーが離れます。その後、足を再びキャッチする事になるので結果的に「持つ場所が低くなっている」となります。最初から持つ位置を低くしようとするとバランスが悪くて、ただやりづらいだけになります。

2.使うオプションによる話

オプションによって高さが変わるの?と思うでしょうが、可能性の話です。

上で触れましたが、ジャンプポッドは「ジャンパー+リフター2人」の、合計3人が関わるので、3人のスキルが十分でないとMAXまで上がりません。

その為、使うオプションによってミスが起こる可能性(しつこいですが、高さの件なので、相手にターンオーバーされる事には言及しません。「ミス=上がりきらない」とします)が高まるというイメージです。

ラインアウトで、ジャンプする際、かなり大きく分けると下記2種になります。
①最初にセットした位置から動かずに飛ぶ
②何かしらのムーブをしてから飛ぶ

「高さ」にフォーカスした場合、どちらが安定して結果を得る事ができるでしょうか?

多分①の可能性が高いでしょうね。
ジャンパー・リフターが最初からその場所に固定された状態でそのまま飛べばミスは起こりづらそうですよね。

逆に②は、ムーブによってジャンプポッドの3人が流動的になり、お互いの距離が離れてしまう事で、ミスが起こる可能性は増加すると考えられます。

ただ、ほぼ確実に①だけで獲得し続ける事はできません。
「じゃあ、どうしよう?」と思った方、ラインアウトにはまり出しています。
これを考えるのがラインアウトのお楽しみポイントです。

(例)
・①を極めてみる ⇒ 本当にめちゃくちゃ高くなればOKかもしれない。
・ムーブしても高さを出す=ミスが起こりづらくするにはどうするか? ⇒ ムーブの種類なのか? 基本的な練習をしてみるのか? 強い組み合わせをいくつか準備するのか?

「高さ」という枠で区切って、オプションを考えてみるのも良いかもしれません。

3.追記(元日本代表 畠山選手のリツイートより)

畠山さんが下記リツイートしてくれました。

以前の投稿「質問編」の要因3に当たる部分となります。

上の方で、細かい事ちまちま書いてるのに、身も蓋もない言い方になってしまいますが、結果的には圧倒的なパワーをつける方が、細かいスキル「だけ」を気にするよりよっぽど良いです。

残念ながらある程度の筋力ないと上がりません…

確かにショルダープレス&スナッチおすすめです。
ショルダープレスは、基本的な肩回りの筋力の向上になります。
スナッチは全身が鍛えられます。筋力の向上だけではなく、体の使い方も鍛えられます。(下半身からのパワーを伝えらえるようになるイメージです。)

ただ、特にスナッチはフォームが悪いとケガをしやすいので、できる限り指導者に教えてもらいながらやって頂きたいです。
どうしてもいない場合は、軽いダンベルやバーだけで始めて地道にフォームを固めていって下さい。

まとめ

3回に渡って高さについて書いてきましたが、ラインアウトにおいて「高さ」は最も重要な事ではありません。
他に工夫するところはいくらでもあります。(いくらでもは言い過ぎか?)

しかし、本当に自分たちのMAXの高さを達成できているか?は意識して取り組んでいく事で、使うオプションが変わり、獲得率に大きな影響を与えてくれるかもしれません。



とりあえず「高さの件」はこれで終了です。
次回からはもう少し実践的な話を織り交ぜていきたいと思います。
ありがとうございました。


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