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自ら率先してやること

所属する訪問看護ステーションに「リフレクションシート」というものを導入した。
このシートは、日常の業務で起こった「思わぬ事態」や「挑戦的なケース」などを記録するためのツールである。

リフレクションについて説明することはしないが、その重要性は誰もがわかっているだろう。
しかし、リフレクションシートを書くことは、日常業務にさらなる時間を要求する。
その価値を理解していても、「よっしゃ、どんどん書いちゃおう!」というテンションで書ける人はほとんどいないだろう。

ここで伝えたいのは、組織に新たな要素を導入し、それを定着させることは、かなりの困難を伴うという事実である。
そこで、今回は「組織に新しい文化を創造するためには」という視点から、私が試みたことを記してみたい。

この問題には、かねてから薄らと思いを馳せていた。
素晴らしい取り組みをしていても、やがて忘れられ、「そういえば、あれはどうなったんだろう?」となることはよくある。
訪問看護ステーションにおいては、スタッフが顔を合わせる機会は少ないため、このような現象が特に起こりやすい環境であるかもしれない。

組織や職種の特性により、アプローチ方法は様々である。
そのため、「一つの答え」を見つけるのは容易ではない。

大学院で「ナレッジマネジメント」の授業を受けており、「組織文化」について深く考える機会があった。
そこで思いついたのが、「自分から進んで行動する」ことである。

たとえば、冒頭のリフレクションシートの導入について考えてみる。
私自身がリフレクションシートを一番に書くことが、組織に新しい文化を定着させる一つの方法であり、効果的な手段であるということだ。

多くの人は、自分から付加価値を創出しようとは思わない。私もその一人である。
しかし、社会の変化が急速に進行する現代において、クライアントから選ばれる組織であるためには、単に日常業務をこなすだけではなく、改善のために新しいことにチャレンジすることが求められる。
筋肉をつけるには適度なトレーニングが必要なように、組織もまた新しい試みを通じて成長するのではないだろうか。

新たな取り組みは最初はハードルが高いものだ。
しかし、誰かが率先して行動することで、そのハードルは少しずつ下がるのではないか。
「ああ、そう使うのか」「またあの人がやっている」「よくやっているな」。
このような積み重ねが、組織が新しい試みを受け入れる雰囲気を作り上げるのだ。

組織に新しいことを導入し、それを定着させることは、新しい文化を作り上げることと言える。
それは決して簡単なことではないが、「誰かが挑戦している姿」が最も強いメッセージになるのではないかと、私は思っている。


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