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医学生と看護学生の患者安全コースに対する認識を探る:質的研究

Exploring medical and nursing students’ perceptions about a patient safety course: a qualitative study

Farwa Ayub, Noreen Afzal, Wajid Ali, Fozia Asif, Syed Sabih ul Hassan, Ghazal Haque, Fasih Ali Ahmed,Khairulnissa Ajani, Zahra Tharani, Mehtab Jaffer, Adil H Haider, Hanan J Aboumatar and Asad Latif
BMC Medical Education(2024)

背景
ヘルスケア専門職に対する医療安全教育は、アクシデントを減少させる可能性があります。多くの高所得国では、医療安全コースが組み込まれており、効果的な成果が得られています。一方、中・低所得国では、医療安全に対する文化が不十分であり、トレーニングの必要性が示されています。

目的
低・中所得国の医学・看護学学生に対して、医療安全教育をカリキュラムに組み込むことによる影響を調査する。

方法
アガ・カーン大学で、3年次の医学生および2・4年時のの看護学生向けに医療安全コースが導入されました。参加した577名の学生に対して、コース終了後にリフレクションを記述してもらい、NVivoを使用してテーマ別に分析されました。

結果
5つの主要テーマが明らかとなり、「スキル習得(感染予防・コミュニケーション等)」「医療ミスの理解(意識の向上・予防方法・ミスへの対応)」「個人の患者安全問題に対する経験」「コースの影響(認識の変化・専門的誠実さ)「コースへのフィードバック(形式・提案等)」が挙げられました。

結論
学生は基本的な医療安全に対する認識が欠如していたことを挙げており、既存のカリキュラムの課題が明らかとなりました。

学び
システム思考や非責任追求アプローチなど、医療安全における重要な概念を学習できたことがわかりました。結論で「医療安全に対する認識が欠如していた」ことが明らかとなったのは、むしろ好ましいことだと思います。学生時代に医療安全について学習することで、医療機関の医療安全文化の醸成に寄与します。この研究について批判的に読むならば、研究対象は1大学であり、「低・中所得国」に対する効果として反映するには、さらなる研究が必要です。

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