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美容外科医の育成のためにできること

こんにちは!
今日も、僕のnoteをお読みいただき、ありがとうございます。
最近は、聖心美容クリニックの新しい治療やフェムテック(FemTech)などの話題が続きました。

そこで、今回は「教育」についてお話しできたらと思います。

昨年、日本美容外科学会(JSAS)の理事長に就任しましたが、いろいろと整えている間に、あわただしく1年が過ぎてしまいました。

僕が、JSASの理事長としてこれから本腰を入れたいと考えているのが医師の育成です。ドクターのスキルの底上げを図るためにスタートしている取り組みについて、ご紹介します。

■美容医療のドクターが増えている

以前よりそうだったのですが、ここ最近は、美容外科医を目指すドクターが格段に増えてきました。

そんなドクターたちの経歴はさまざまです。
多くの診療科を経験してきたドクターもいれば、形成外科の専門医を取ってから美容に転身したドクターもいます。

そして、なかには初期研修を終えてすぐに美容の世界に入るドクターも……。

僕が美容外科に入った28年前にも、医大卒業後すぐに、医局に入らずに美容外科医になったドクターもいたくらいですから、驚くことではないのですが、僕の経験を踏まえて考えると、後期研修を終えたばかりの29歳でも、美容医療の世界に入るのはまだ早いような気がします。

できれば30代前半から中盤くらい、ある程度の臨床経験を積んでからのほうが、順当ではないでしょうか。

僕も早くに美容に入ろうとして、恩師に「まだ早い!」と止められました。だからこそ、外科医として多くの経験を積むことができ、そのスキルがあったからこそ、美容医療でも力を発揮できたと思っています。

しかしながら、「早く美容の世界に身を置きたい!」というドクターがいるのも事実です。

その気持ちは分からなくもありませんが、適正なトレーニングを受けていない医師がいきなり手術をしてもいい結果がでるはずはありません。

本来なら、一定の手術ができるようになるまで、研鑽を積むべきですが、残念ながら、患者さんを手術したいため、自己ブランディング活動のほうに力を入れてしまうドクターもいます。

それに拍車をかけたのがInstagramなどのSNSです。
SNS上での自分の見せ方がうまければ、実際のスキルが低くても集客できてしまいます。

しかし、これでは、患者さんに迷惑ですし、本来の美容医療のあり方から遠のいてしまいます。

■日本美容外科学会(JSAS)ができること

こうした未熟な医師は、「この業界から排除するべき!」という意見もあります。

しかし、僕の考えは少し違います。
スキルが不十分な医師会員に学ぶ機会を与えることが重要だと思うのです。

美容外科医になる目的は何であれ、そのドクターが美容外科医を生業にしたいと思っているのは事実。
だとしたら、少しでもトレーニングによってスキルを上げてクオリティを高めることが大切で、それが叶えば、その分患者さんにとってもプラスです。

美容外科医のアベレージを底上げすることは、JSASの役割のひとつだと、僕は考えています。

■「一般社団法人 エスティックメディカルアカデミー(AMA)」とは?

昨年、JSASの理事を中心に「一般社団法人 エスティックメディカルアカデミー(AMA)」が設立されました。

AMAは、医療従事者向けの美容医療教育事業で、
マンツーマンで理論からテクニカルシェアまで、ハンズオンメインの研修をおこなっています。

すでに研修は開始されており、今、AMA をJSASの教育機関として認証する方向で動き始めています。

このアカデミーのメリットのひとつが、マンツーマンでの研究です。

グループ研修の場合、ほかの受講生もいる手前、自分ばかり質問ができなかったりしますが、密着型の指導であればそのような心配はありません。
思う存分、質問して疑問を解消できます。

AMAでは、美容医療において、トラブルがあったときのリカバリー方法まで教えます。

どんなエキスパートでも常に100点の治療をするのは難しいものですし、真のエキスパートとは、優れた手技を持つだけでなく、スムーズにいかないことや合併症が起きたとき、それをリカバリーできる人だと思います。

AMAのトレーナーを担当するのは、それ相当のエキスパートドクターです。
もちろん、アカデミーは有料。

通常、学会主導のセミナー講師は、わずかな謝礼の場合がほとんどで、医師の善意に甘えるところがありますが、AMAはビジネスとして、きちんと講師にお支払いをして教えていただきます。

自分の時間を割いてトレーナーを務めていただくわけですし、そのほうが学ぶ側も教える側も真剣になってくれるでしょう。

実際、高額の研修料金を支払っても、技術を身に付ければ、そのリターンは計り知れません。指導を受けたくても受けられる環境にないドクターたちは、学ぶ意欲が旺盛ですし、このアカデミーを大いに活用していただきたいと思っています。

ほかにも、半日や1日型の小規模な学会の複数開催やベテランも学べるエキスパートコースもつくる予定です。

マンツーマン指導なので人数制限はありますが、少しずつ人数が増えれば、それだけ美容医療業界の底上げになると楽しみです!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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5月11日、12日、JSASの学会が初めて大阪で開催されました。

聖心のドクターも何人か登壇し、フェイスリフトのライブサージェリーも行いました。ライブのオペ室は聖心の大阪院です!

どんな学会になったのか、またの機会に詳しくご報告しますね。

それでは、今日はこの辺りで。
次回のnoteもお楽しみに!

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