「大怪獣のあとしまつ」感想文

無です。

 正直に言うと、ストーリーについて考えたくてもとっかかりがなくて全然わからん。すべてのシーンを疑問符付きで観る映画があるなんて、まあ、たくさん映画あるなかでこんなのもあるのか。うん。

 映画館まで足を運んで観た人たちの嘆きが今になって理解できたのは、よかったと思ってます。


しかし、こんなリアルに現実世界のいやなところ描写しなくてええやん。

大臣たちのしょーもない言動も三角関係もいらんから、死体の周りでいろんな計測器とにらめっこして、現場ががんばる話でよかったやん。

なのでここからは私が期待してたあとしまつを書きます。



たとえばこんなあとしまつを

 ついに怪獣が地に伏したとき、前線基地をゆらす歓喜のざわめきの中で、隊員の一人が言った。
「肉が腐らないように、凍らせなければいけませんね」
 最新冷凍兵器で白く凍りついた怪獣の下で、おっかなびっくり視察に来た大臣の後ろに控えるスレンダーな秘書が言った。
「片付ける方法なんて決まっています。殺した獲物は食べるものですよ」
巨大な生き物を解体する技術ならもうあるじゃないかと呼び出されたクジラ漁師たちが言った。
「硬い鱗は無理ですが、それ以外の部位はクジラ同様にイケるでしょうよ」
そうして始まった解体の間中、線香を焚き祈りを捧げていた坊主が言った。
「日本の安寧のために殺されたのですから、すべての国民に食べられることで巨大な命は浮かばれるのではないでしょうか」
 そうして慌ただしく始まった怪獣の肉の抽選販売ネット予約は、開始から五分足らずで完売したとニュース原稿を読み上げるアナウンサーは言った。
「怪獣のお肉、どうやって食べますか?街頭インタビューで千人に聞きました。第一位は焼肉。次いで刺身、シチュー、すき焼きと続きます」
 きれいに骨と鱗の山になった怪獣が青い光と共に「復活」したというニュースが日本を駆け巡ったその日は、怪獣の死から一月後。つまり怪獣の月命日の出来事だった。
「日本で倒されたからには、日本人皆に食べられたいんじゃないですかね」二度目の抽選販売分を受け取りに来たスーツの男は、そう言って帰っていった。
「1ヶ月サイクルで再出現する怪獣の死体は、もはや日本人の主食といえる程に親しまれています」
アメリカから来たレポーターは、ドン引きしている態度を隠すこともなく怪獣用焼肉のタレ、怪獣専用醤油、怪獣鍋の素などなどのラインナップを紹介にかかった。

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