はじまり

はじまりは、ほんのささいなこと。

言葉ってなんだっけ、人間ってなんだっけ、僕ってなんだっけ。

顔も知らない誰かが書いた一冊の本。

なにを思いながら書いたのかな、と考えても、

そんなことわかるわけなかったって思い直す。


はじまりは、いろんなことを見失っていること。

見失っていることに気づいたからって、それを見出せるわけじゃない。

六畳のおうちで、えらそうに画面を見つめて、

こんなふうにカタカタ音をならす。

リズム感がないねって、そんなことずっと前から知っていたよ。


多分ミウシナッタなんてぜんぶ嘘。

それが悲しくなる夜。


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