『10年前の僕へ』 ー 手紙部

10年前の僕へ

お久しぶりです(といっても君にとってははじめましてですね)。
僕は2020年を生きている二十歳になった僕です。よく「10年後の僕へ」というような手紙を書くというのを聞いたことがありますが、僕は10年前の僕に、手紙を書いてみたいなぁと思いました。きっと10年後の自分に手紙を書くことのほうが一般的なのは、10年後の自分になら手紙が届く可能性が高いからですね。この手紙は多分、君には届かないのでしょう。それでもこの手紙を、書かせてください、たとえ自己満足でも。
君は今僕が音楽をやっている、なんてことを予想だにしなかったでしょう。君はどちらかと言えば音楽が嫌いでしたね。楽器も全く演奏できず、リコーダーの試験なんかには辟易していたかと思います。でも、君はあと2年ぐらいすると運命の出会いをします。そして人生が180度変わるのです。どんな出会いが待っているのか、君に熱く語りたい気持ちは山々ですが知ってしまっては面白くないので黙っておきますね。僕らが出会うそれは、ちょうど君が生きている2010年に誕生し、僕が生きている2020年に10周年を迎えました、というのがちょっとしたヒントです。そんな運命の出会いを経て、僕は歌を歌い、ギターを演奏し、作曲をしています。
音楽は好きではありませんでしたが、本を読むこと、文章を書くことは昔から大好きでしたね。その気持ちは、2020年になっても変わらずに持ち続けています。昔の僕がたくさんの本を読んでいてくれたおかげで、今の僕には、たくさんの引き出しが備わっているように思います。ありがとう。今でも僕は、文章を書き、物語を作ることを続け、文学、音楽などを武器に、この世界を優しく包み込むことができるような、大きな大きな世界観を生み出したい、という夢を持っています。
こんなふうに手紙を書いてみると、10年前の僕と、今の僕と、変わらない部分もあれば変わった部分もありますね。性格なんかも、少しずつ、確かに変わっていて、でもそれでいて全く変わっていない、というような気もします。結局のところ僕は僕なのですね。
僕の座右の銘に
「変わらないものがあるから変わることができる」
という言葉があります。これは、先ほど書いた運命の出会いを果たすそれによってもたらされた言葉です。「変わらないために、変わり続ける」とも言えるかもしれませんね。
これからもたくさんの変化が、もちろん君を取り巻くものも、そして君の内面も、待っています。でもそれを恐れる必要はありません。僕はいつも少し慎重すぎて、いろいろなものを逃してしまう質なので、もう少し大胆になってもいいと思います(とこう書いている自分もそれを克服することはあまりできていませんが…)。変化を楽しむことができるように、お互い頑張りましょう。
なんだか人生の先輩ぶっていろいろなことを書いてしまいましたが、少なくとも今、2020年に僕が生きているということは君もそこまでは生きることができるということなので気楽に、楽しく生きてください。もちろん辛いこと、大変なこともたくさん待っています。今だって、僕は様々な問題に直面しています。それもまたプレゼントだと、そう思えるように願っています。

それでは、
10年先の未来でお待ちしています。

10年後の僕

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