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自己満足

どこかで引っかかっていた。
とある友達が仕事で心を苛まれているという話を人づてに聴いた。
もう数年彼とは会っていなかったし、以前の人間関係を絶ってるなんて噂も聴いていた。

1人でお酒を飲んだ時に勢いで連絡を取ってみた。「元気?今度東京行くけど飲み行かないか?」

すんなり返事が返ってきて、飲むことになった。
連絡が途絶えた時に上の噂がチラついて、少し不安にはなったが、前日に連絡が返ってきて無事に会えた。

以前会った時と比べても、特に違和感はなく、いつもの感じで話が出来た。

もう彼は野球をやっていないみたいだけど、自分がまだ野球やってるということを凄く喜んでくれた。

ある日突然人混みが怖くなり、電車に乗ると吐き気がするようになったという。
精神科に行くと「パニック障害」と診断されたらしい。
自分なんかとは比べ物にならないくらい人と話すのが得意で、活気もある性格だから想像がつかなかった。
だけど、彼は言っていた。「人の辛さがわかるようになった」と。

そういえば、大学の友達や先輩とたまに連絡とってるという話をしたら「お前、そんなに色々なところから情報が入ってきて色々抱えこんでないか?」なんて気遣ってくれた場面もあった。

「そういう気遣いができるなんて、今回のことがあってかなー」なんて自分の頭の中で一瞬よぎったけど、違う。彼には元々そういう一面がある。
だから、大学の時から信頼してたんだ。

会えてよかった。
噂を聴いて気になったのも、声をかけたのも、全て自分の自己満足。
一方で、もしかしたら今回飲みに行ったことで彼の心が少し軽くなったかもしれないし、楽しい時間を過ごせたかもしれない。
そう思うと、思いつきで来てよかったなと思う。
それもまた、自己満足。

最近は人の人生の儚さについて考えることが多い。
何度も会える人は、もう既にそんなに多くないのかもしれない。
だから、会える人には会っておきたいなと思った。

今週もほどほどに。


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