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【缶蹴り恋愛逃走中】#毎週ショートショートnote

南田征司の「缶蹴り恋愛逃走中」に寄せて
この話を読み始めた時、鬼=犯人=恋人で、鬼から逃げているのだと思った。
僕らの世代は「缶蹴り」をあまり知らない。少し混乱した僕は、途中、缶蹴りのルールを調べた。
鬼が全員を捕まえたらターンは終了。その際、最初に捕まった者が次の鬼になる。最初に捕まらなければ鬼になる心配はない。鬼に捕まっても仲間が陣地に置かれた缶を蹴ることで逃げることが可能となり、鬼の下手をすると鬼はいつまでも鬼という恐ろしいルールが缶蹴りにはあった。
しかし、作品内には具体的に缶蹴りのルールは説明されない。
登場人物が終盤「これじゃあまるで缶蹴りだ」と言うだけである。
主人公を含め10人の男女が逃げている。そう。男女。その要素も我々を混乱させる。
鬼の目的は人を愛することなのか?それとも自分に代わる鬼を求めているのか?
そのあたりも我々読者に委ねられている。
さぁ、あなたも本を取って、古の缶蹴りに参加してみてくれたまえ。



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