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【彦星誘拐】#毎週ショートショートnote

俗に「彦星誘拐殺人事件」と呼ばれる未解決事件・文科省事務次官阿彦星二郎氏誘拐殺害事件の発端は警視庁に「阿彦は預かった」と新聞の切り抜きというレトロな犯行声明が届いたことだった。その声明文が届いた二時間後に阿彦星二郎氏の失踪届けが提出されて、誘拐されたのは阿彦氏と推測された。
その日が7月7日だったこともあり当初から「彦星誘拐事件」とマスコミは報じた。
その後、毎日のように警視庁には切り抜き文字の文章は届くものの、阿彦氏の家族に対しても、文科省に対しても何もないままひと月以上経過したある日。「彦星はここにいる」という切り抜き文章が地図と共に送られてきた。
それが旧暦7月7日。
地図にあった廃病院で阿彦氏の遺体が発見された。
そこで誘拐されたのが阿彦氏だと断定されるも、それきり犯人は何の動きもなく、捜査は難航。心無いマスコミは誘拐は阿彦氏の狂言で、阿彦氏は自殺ではないか?などと報じるものもあったが、まさに謎多き事件である。



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