【52 バッハ】#100のシリーズ
「オレ、バッハと誕生日が一緒なんだ」
「ん?バッハってあのバッハ?」
「あのがどのバッハかわからないが、音楽家のバッハだ」
「お、おぅ。そうか」
「・・・ま、そういうリアクションになるよな」
「悪い」
「いや。想定内」
「そうか」
「ずっとね、同じ誕生日の著名人の筆頭にいたんだ、バッハが。それが、いなくなった」
「どういうこと?」
「暦が変わっていることを踏まえたらしい」
「わからん」
「そうさ。俺たちにはちっとも関係ない話だ」
「でも暦が変わったってどういうこと?」
「今の暦はグレゴリオ暦1582年10月15日から使われている」
「ってことはバッハはそれ以前の人?」
「いや。1685年生まれだ」
「え?どういうこと?」
「だろう?」
「よくわからない」
「過去なんていい加減なものだ。バッハだってこんなものさ」
「でも、音楽は残っている」
「すごいなぁ。音楽って」
「確かにな…って何お話だっけ?」
「おまえがバッハと誕生日が一緒だって」
「あぁ、そうだった」
「で、今日がそうなん?」
「なんで?」
「急に言うから」
「あぁ、いや。俺3月生まれ」
「え?」
「3月21日。アイルトン・セナと同じ誕生日」
「アイルトン?」
「アイルトン・セナ。音速の貴公子。F1レーサー」
「誰?」
「知らない?」
「うん」
「そっかぁ。まぁ、俺らが生まれる前に死んだからなぁ」
「あ・・・うん」
「やっぱり、バッハすごいよな。死んで250年以上経ってもみんな知ってるんだぜ」
「え?そんな最近の人なの?」
「え?」
「ダ・ヴィンチと同じくらいの人かと思ってた」
「え?」
「髪型のせいかなぁ?あ?ヴィヴァルディと勘違いしてた?」
「ヴィヴァルディもバッハとあまり変わらないが」
「そうなん?ともかく音楽もすごいけど、絵画、芸術もすごいってことでいいのかな?」
「・・・いいんじゃない?それで」
「うん。バッハすごいよね」
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