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かみがみ

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神と呼ばれるモノと境界の話
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記事一覧

【子どもの日】#シロクマ文芸部

子どもの日だというのにその村には子どもの姿はなかった。 その代わりというかのように、どの…

たつきち
3週間前
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かみさま

小学4年の秋だった。 私は父方の親戚の住む町に、父と一緒に泊まりがけで遊びに行った。 おそ…

たつきち
3か月前
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【雪化粧】#シロクマ文芸部

雪化粧をしたところでその場所の黒さは隠れようがない。 曇空の下。渡り祭祀は真っ白な封鎖地…

たつきち
4か月前
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【りんご箱】3#シロクマ文芸部

りんご箱を荷台から下ろしていた。 ミチルとフジが待ち合わせ場所➖例の発電施設の跡地前に行…

たつきち
7か月前
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【りんご箱】2#シロクマ文芸部

「りんご箱の前には何も現れなかったのか?」 モニタ越しのミタライが訊ねる。 「はい。それに…

たつきち
7か月前
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【りんご箱】#シロクマ文芸部

「りんご箱」 「子作り」 「また、り?」 ミチルが頬を膨らます。 「それもなんとかづくりばか…

たつきち
7か月前
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【ガラスの手2】#シロクマ文芸部

ガラスの手には感じなかったそれは禍々しさと呼んでいいものだろうか? 鳥居の向こうに見える手の化け物はただこちらを向いて立っているだけだ。 そもそも神様が自分の気に入った人間を攫うということは、神は鳥居からこっちに出てくるということなのだろう。 しかし、昨日も今日も、神様➖ガラスの手は鳥居から手を覗かせてゆらゆらと手招きとも取れなくもない動きを見せるだけだ。 随分後になって、そのことをミタライさんに訊ねたら「望月さんの守護の力が強くて迂闊に近寄れなかったんですよ」と教えてくれた

【ガラスの手】#シロクマ文芸部

ガラスの手が見えた気がした。 先生に言われたことを思い出す。 「よそ見は禁物」 一瞬だけ、…

たつきち
11か月前
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