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なぜ植物を育てるのか

tomarigiは開業当初から観葉植物をたくさん置いています。
できるだけフェイクではない、生きた植物を。

生きた植物を置くと水やりや剪定、植え替えなどの手間がかかります。
では、なぜ植物を置くのか。僕なりの理由をお伝えしましょう。

小さな変化を楽しむ

以前、スタッフに「植物が好きなんですか?」と聞かれたことがあります。
その時の僕の答えがこうです。
「植物が好きというか、植物を”育てる”のが好き。」

葉が下を向いて、うなだれている植物があります。
いつもより多めに水をやり、陽の当たる場所に移動させてあげると、不思議なことに数時間後には元気になっています。

時には新芽が出て、葉が増えていることに気が付きます。
こういう小さな変化が植物を育てる楽しさではないでしょうか。

お店の成長と重ねる

僕は植物たちの小さな変化を、お店の成長と重ねています。

毎日変わらない営業を続けていると、どのくらいの月日が流れているのかがわからなくなります。
そんな時、「お!こんなに育ったのか!」と植物の成長を目にすることで、月日の流れを意識することができるのです。

tomarigiは来月で開業から3年が経ちますが、当初から育ち続けている植物も多く、毎日を一緒に過ごしている感覚になっています。

植物は何も与えてくれない

別に植物から「育ててくれてありがとう」とお金をもらうことはありません。tomarigiの植物は食べることもないし、花を咲かせるわけでもありません。

こちらが水をやり、世話をしても何も与えてくれないのです。

それでも僕は毎日水をやり、成長を気にかけ、置き場所を選んでいます。
この見返りのない仕事が、不思議と植物への愛情を芽生えさせました。

愛情が芽生えてから、新芽を見つけた時のような小さな変化を楽しめるようになっています。
何も与えてくれない植物を育てているのに、幸せな気持ちを与えてもらっているかのようです。無意識に「ありがとう」という言葉が出てきそうになります。

全てのことと向き合う時にも

植物と向き合う気持ちを、僕は日常の全てに当てはめています。

誰かと接する時、何かを与えてもらおうと考えない。それがお客様でも、スタッフでも、そしてお店や日々の出来事でも同じです。それでも僕は何かを与えていきたいと思って、接していく。

その繰り返しの先に、ふとした言葉で嬉しくなったり、またお店に来てくれたことに喜んだりがあると思っています。

どれだけ大人になっても、この気持ちを大事にしたいから、今日も明日も植物を育てているのかもしれません。



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