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光る四つ葉のクローバーを持って、一歩前に。

こまやか

「こまやか」って、漢字で、どう書くでしょう。


「細やか」とも書くし、「濃やか」とも書きます。

細やか:細かい・詳しい
濃やか:気持ちが濃い・心がこもっている・情が厚い

この2つの漢字が同じ「こまやか」という音を共有しているということを、最近、何度か思い返していました。


四つ葉のクローバー

少し前に、テレビで、四つ葉のクローバーを見つけるのが得意な大学生が紹介されていました。

原っぱをテクテクと歩いて、「あ。」と、しゃがみこんで、四つ葉のクローバーを見つけて満面の笑み。
また歩き始めて、しばらくすると「あ。」、ニコリ。
数十分でいくつもの四つ葉のクローバーを見つけてしまう人でした。
最高記録は、1時間で300本だとか...

ふつうの原っぱにそんなにたくさんの四つ葉のクローバーがあるという事実にも驚きますが、なぜ彼女にだけ見つけられるのか、というのが、とにかく不思議です。

彼女によると、小さな時から四つ葉のクローバー探しが大好きで、いつの間のか「四つ葉だけが光って見える」ようになったそうです。

好きだからこそ見つけられる、というのは、人混みのなかでも恋人や友達のことは見つけられる、というコトと一緒だそうです。
母親や父親が、自分の子供の声を聞き分けられるように。


心がこもっていればこそ、細かく見えてくる。
「濃やか」だから、「細やか」。
愛ゆえの解像度。


逆に言えば、自分が好きなモノというのは、自分が他の人よりも細かく見えてしまうモノのことなのかもしれません。

あなたの"四つ葉のクローバー"は何ですか? みたいな。


「こまやか」の先に

その「こまやか」になる対象が、"誰かの・何かに対する考え"である場合。
(「誰か」というのは、1人の個人かもしれないし、集団かもしれない。
「何か」とは、個別のトピックの場合もあれば、もう少し全体的な理論のような場合もある。)


その考えを、濃やかな心をもって、細やかに見ていくと、
その考えのなかにある(隠された)前提や(無意識な)バイアスが見えてくることも少なくない。

「なるほど、この考えは、ここまでは正しいけれど、ここから先は不確かだなぁ」
「この考えを、別の場面に適応するためには、ここについて考えを深める必要があるのだなぁ」
「この考えを、もうひとつ進化させるためには、ここを考えるべきだなぁ」
と、いうふうに。


「批判的Criticalである」というのは、そういうことだと思う。
愛をもって細やかに理解し、その理解を経由地点にしたうえで、
その考えを、その考えの持ち主とともに、一歩前に進める。

その考えを全面的かつ盲目的に受け入れる、というのとも違った態度。
大雑把な理解に立って批判しようとしたり、批判することを前提に大雑把な理解をしたりすることとも違った態度。




コンサルタントという職業は、批判的Criticalな姿勢が必要になる場面も少なくないが、やはり「こまやか」でありたいと思う。


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