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イスラエル新政権の多様性について

議会制民主主義の歴史において、イスラエルの新政権ほど多様な政権は存在しなかったと言えるかもしれない。この新政権には、エチオピア系の黒人から、褐色のイスラム教徒、浅黒いスペイン・ポルトガル系、青白いロシア系に至るまで、ほとんどあらゆる色の人々が含まれている。この新政権は、現代的な正統派ユダヤ人の首相を中心に、原理主義のイスラム教徒、無神論者、不可知論者のユダヤ人によって構成されている。この新政権の中には、ひとりのゲイ、ひとりの聴覚障害者が含まれており、アジア、アフリカ、欧州、アメリカに起源を持つ人々が含まれている。

このイスラエルの新内閣では、9人の女性が職務に就くことになる。新総理大臣は右派である。この総理大臣が任命した外務大臣は左派である。この新政権には、右から左まで、あらゆる政治的な意見が含まれている。「ふたりのユダヤ人がいれば、三つの意見がある」と言われていたが、今や「20人のイスラエル人の閣僚がいれば、30通りの意見がある」と言われるような状態である。それぞれの閣僚は、所属する政党の多様な意見を代表しているからである。

欧米や日本の頑迷な左翼の活動家たちは、イスラエルにアパルトヘイトのレッテルを貼っている。しかし実際のイスラエルには多様性がある。新政権の構成は、イスラエルの多様性を明確に示すと同時に、イスラエルに対する左翼の攻撃が嘘であることを証明している。

ユダヤ人の国民国家であるイスラエルは、非ユダヤ人にも平等な市民権を与えている。しかし、帰還法はユダヤ人のみに適用される。世界中のユダヤ人に安全な避難場所を提供することは、イスラエルの基本的な存在理由の具現化である。数千年前からユダヤ人を差別し続けてきた世界の中で、イスラエルは唯一のユダヤ人の祖国である。600万人のユダヤ人が殺害された時、このユダヤ人の祖国は準備段階にあったのだ。

イスラエルがついに連立政権を成立させたこと、しかも、この新政権が民主主義の歴史において最も多様な政府に位置づけられることは、良い知らせである。しかし、その多様性がこの新政権を民主主義の歴史において最も不安定な政府にしていることは、悪い知らせである。この多様性という障害をいかにして乗り越えるのか、イスラエルの今後の歩みを見守りたい。

以上、アラン・ダーショウィッツの最新の論稿に基づいて、イスラエルの新政権について述べてみた。

資料:https://www.gatestoneinstitute.org/17472/israel-government-diversity

画像:イスラエルの新政権の閣僚たち https://twitter.com/barakshine/status/1404727157859917832

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