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国民の主権行使

 4/22の記事、「(少なくとも)国会議員は国民が直接辞めさせられる、と憲法に書いてある。」https://note.com/tatsufuminitta/n/nc86e86e592e7、おかげさまで多くの方に読んでいただけているようです。

 今回のテーマは、国民が行使する権利としての主権について考えることですが、改憲しないことを前提に話を進めていこうと思います。

【国民主権の定義】

主権者国民が国家統治の最上位に位置すること、国民が三権の長となること、それらのために国民が行使する権利。

 これが私自身の定義で、もちろん、他の考えはあると思いますが、国民主権は日本国憲法の各条文より上位に位置する概念なので、憲法でどのように記述されているかは、今一度、確認していただきたいと思います。

【罷免権】

 日本国憲法15条で国民固有の権利として保証されている公務員の罷免権は、国会議員が対象と考えられますが、同前文で「・・・ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。・・・」とあるので、国民主権が機能する必要な範囲まで罷免権の対象となる、というのが私の考え(解釈)です。

 具体的には、国会議員のほかに、憲法に記述のある最高裁判所長官、および認証官(同7条5)が国民による罷免権の対象の公務員という前提で、話を進めていきたいと思います。

 そして、国民の罷免行使については、4/22記事「(少なくとも)国会議員は・・・」で下記の二通りのやり方をご紹介しました。

1.請願(罷免発議)→国民投票。

憲法16条請願権をもとに、ある一定要件を満たした請願(例えば有権者の1割の署名)を罷免の国民発議として扱い、国民投票を実施。

2.一定の期間毎(例えば一年毎)に、国会議員・最高裁判所長官・認証官全員の罷免の国民投票を実施。

 ここでは、若干修正して、#1の請願(罷免発議)→国民投票、を適用するのは認証官、#2一定の期間毎(例えば一年毎)に罷免の国民投票、を適用するのは国会議員、ならびに最高裁判所長官とするのがいいかと思います。

 国民による公務員の罷免権行使の保証は、国民主権を実現するうえで最も重要な項目だと思いますが、メディアでは一切扱われずタブーになっています。多くの人が、憲法に書いてあることを確認して、声を上げるようになれば、タブーがタブーでなくなっていきます。

【請願権】

日本国憲法 第一六条
何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。

 この請願権に関しては、広範な国民主権の実現という観点からは、今まで取り上げてきた罷免権だけではなく、もっと広く活用する必要があると思います。

 例えば、ある一定要件を満たした請願(例えば有権者の1割の署名)を国民発議として扱い、国民投票、国会審議を実施するように法整備すれば、国政に民意が確実に反映されることになります。私のアイデアを紹介します。

1.衆議院の解散:国民発議→国民投票:

2..国民による憲法審査:

国民発議→国民投票→国会審議(関連法案制定、改廃、予算案等の審議、議決)→国民投票(国会審議・議決結果の承認)

3..法律・政令・省令の制定、廃止又は改正、他国と日本政府との取り決め(条約等)の改廃、その他の事項:

国民発議→国会審議(関連法案制定、改廃、予算案等の審議、議決)→国民投票(国会審議・議決結果の承認)

【選挙権】

 日本国憲法では、国民は主権者として「代表を通じて権力を行使」することになっていますが、今の国民の代表を選ぶ選挙制度には、民意を反映しないカラクリがあります。その問題点を列挙していきたいと思います。

一回の選挙で少なくても200名以上の国会議員(国民の代表)が改選されるのにもかかわらず、なぜ選挙区・比例各一票しか投票できないのか、複数票投票できないのはおかしい

参議院一人区・衆議院小選挙区は死票が多く出やすく、民意が国政に反映せず、日本国憲法前文「国政は、国民の厳粛な信託によるもの」と実態に乖離が生じている

比例区は政党に投票、しかし、憲法では政党に対して投票することは想定されていない

比例代表の名簿の上位に名前がないと、落選するリスクが大きくなり、当選するために、多くの候補者は「全体の奉仕者」であることより、党首含む党幹部、あるいは所属政党のスポンサーの意向に従うようになってしまう

選挙権行使の最低年齢は合理的なのか、多くの国民の声を国政に反映させるために、もっと下げられないのか(例えば16歳から)

 これらの問題点を改めるためには、こうなります。

選挙権行使の最低年齢を16歳に引き下げ、参議院一人区・衆議院小選挙区・比例区廃止、全選挙区同一定数で中選挙区制復活し、有権者は定数まで投票可とする

【被選挙権】

 被選挙権は普通は行使しない権利で、私も行使したことはないですし、多くの人には馴染みがないのは仕方のないことです。選挙される権利、つまり、立候補する権利を行使するにはお金がかかる仕組みになっています。

 具体的には、高額な供託金、政治にお金がかかることを容認する政党交付金、企業・団体からの政治献金。これらを無くせば、被選挙権行使に対するハードルが下がり、前に述べた選挙制度の是正と併せて実施すれば、既存政党に属さず、今までだったら絶対に当選しないような候補者でもチャンスが出てくるでしょう。

 政治にお金がかかることの問題点は、お金を持っている人が権力者を通じて公権力をコントロールできるようになり、民意が国政に反映されなくなることに尽きます。
 政治にお金がかかることを容認すると、結局損をするのは国民になります。

 さて、今までの話をまとめると以下のようになりますが、国民が主権を行使しにくくし、民意を国政に反映させにくくなるように、制度が歪められていると言えると思います。

罷免権:行使の機会が極めて限定的で(最高裁裁判官国民審査のみ)機能不全

請願権:権力行使(国民投票、国会審議・議決)へ繋がらない欠陥

選挙権:民意を反映させない選挙制度

被選挙権:権利行使にお金がかかる欠陥

 これらは日本だけの問題ではなく、民主的に国家運営されているとされている他の国でも同じような状態だと思います。

 国民主権がなぜ必要なのかの理由の一つに、公権力が一部の人達に乗っ取られて国民が損害を被らないように、というのがあります。そのためには国民の主権行使の機会が充分に保証されていることが大前提になります。実際、近年の官業民営化、移民政策、自由貿易政策などは公権力の乗っ取りの例と言えると思います。

 ここまでお話ししてきたことは国政の話で、地方自治体も同じように主権者としての権力行使の機会を増やすと、場合によっては毎週投票ということも起こりますが、憲法には自分たちの権利は努力して守りなさい(第12条)と書かれています。

 私が述べた国民の主権行使の改善について、政策として掲げる国政政党がないことは、個人的には大変残念だと思っています。もちろん、私がお話ししたことがすべてではなく、不完全なところが多々あるとは思いますが、国政政党が政策とすれば、様々な議論が生まれる、そのためには私たちが声を上げるしかありません。

 では、最後にこちらも↓よろしくお願いいたします。
 
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