政府通貨、メリット&デメリット

利権を温存して将来世代に負担を強いる政府の借金

・民間の銀行だけが信用創造でお金を発行することで、政府の資金調達は徴税か公債の発行の二つに限定。
・政府の歳出が徴税額を上回った場合、公債を発行して資金調達、利払いの義務が発生。
・政府の借金で得するのはだれか。
・政府支出により利益を得ている人たち、例えば公務員、公共事業の受注者、補助金・助成金の支給先、などの人たちと、政府の債務に関わる利払いを受け取る人たち(債権者)。
・政府の一般会計の税収が縮小傾向なのは、法人税・個人所得税の税率を下げ、減税したから。
・法人税・個人所得税の減税と消費税の増税で、所得の低い人からお金持ちへ富の移転。
・抜本的な政府歳出の見直しはせず、法人税・所得税減税で債務を増やして、将来の国民に負担を押し付ける政策を政府が推進。

政府通貨のしくみ

・政府預金口座にどう数字を書き込むか
・政府が極めて高額な硬貨または紙幣、例えば額面1兆円の硬貨を発行して銀行に買い取らせることで、政府預金口座の残高が1兆円増える
・政府の預金口座に書き込まれた数字は、政府の利益(通貨発行益)
・政府が発行して銀行が買い取った高額な硬貨または紙幣は銀行が保管し、市場には流通しなくても構わない。
・極めて高額な硬貨または紙幣を買い取るのは日銀
・もし、市中の民間銀行で高額な硬貨または紙幣を買い取り、政府の預金口座から支払いがされると、その銀行の決済用の資金である日銀当座預金口座の残高がなくなり、経営破たん
・日銀は政府機関ではない。
・日銀に政府の言うことを聞かせるためには、国有化することが必要。
・もし、日銀を国有化できないのならば、政府が新たに第二日銀を創設、政府通貨の引き受け、金融機関の決済業務を行うという選択肢も。

試算:世の中にない利子分のおかねはいくらか

・銀行だけが融資時に口座預金という形で、お金を独占的に創ると、常に世の中に利子分のお金が不足。
政府が自ら通貨を発行すれば、この利子分のお金を社会に提供することが可能。
・お金の総量を2000兆円と仮定。
・平均利子が2%、平均償還年数が10年と仮定した場合、利子の総額が400兆円、ということは社会全体で元本2000兆円プラス利子400兆円、2400兆円の負債に対して2000兆円のお金しかない。
・際限なく政府が通貨を発行するとどんな影響があるのか。
・貨幣価値の下落を招き、為替安、物価上昇を招き、買いたいものを買えない人も。
・特に、持ち家の計画を諦めたり、家賃が上昇して困るといったことことが懸念。
・民間が政府支出に過度に依存するようになり、民間の価値創造を妨げることも懸念材料。
・信用創造の場合、債務履行時に元本分のお金が消滅して通貨流通量を調整、通貨価値を維持する機能が備わっていますが、政府通貨を発行しすぎれば、増税して市場から通貨を集めるしかない。
この400兆円は政府のムダ、利権をなくすため、緊急の対応が必要な政策への財源に使途を限定、政府債務返済の財源としては、富裕層への増税と政府歳出のムダを削減するのが適当。

政府通貨は万能ではない、メリット&デメリット

メリット:
①政府が信用創造、資本主義の序列・ピラミッド構造の外になり、経済システムに内在する欠陥(貧困・格差)の是正が可能に。
②利子分のお金を信用創造に頼らずに世の中に提供、デフォルトリスクの低減
③政府債務を減らし、利払いによる不平等の是正。
デメリット:
①権力者が際限なく政府通貨を発行し、特定の人に利益を誘導したり(利権)、戦争を始めるリスク。
民間が極端に政府支出に依存するリスク。
通貨供給量が増えすぎて為替安、物価上昇を招くリスク。
*以上デメリット①②③は政府債務のデメリットと共通。
通貨流通量を調整するには増税する必要がある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?