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じょしらくから考える伝統芸能

アニメで考える社会問題
本日は「じょしらく」を通して伝統芸能について考えていきましょう。

「じょしらく」は2012年に放送された日常系のアニメで、5人の女子落語家のなんでもない会話の発展を見る話でございます。
「蕪羅亭 魔梨威(ぶらてい まりい)」、「防波亭 手寅(ぼうはてい てとら)」、「波浪浮亭 木胡桃(はろうきてい きぐるみ)」、「空琉美遊亭 丸京(くうるびゆうてい がんきょう)」、「暗落亭 苦来(あんらくてい くくる)」のなんとも変わった名前の、個性豊かな5人が繰り広げるお話は、なんとも普通で、ありきたりなお話が展開されます。

「女子落語家の会話」と言いますが、正直なところ、落語が大きく関わってくるわけではないんですよね….
会話の場所が寄席の中だったり、アニメの冒頭では落語をしていたりと、若干の落語要素を残しているものの、本質は5人の女の子が他愛もない話を繰り広げているだけでございます。
なので、今回のテーマと完全に合致するとは言い切れませんが、「じょしらく」自体、「落語をテーマに何か描いてよ」と言われて生まれた作品ですので、つなげて書いていこうと思います。
ちなみに、youtubeで1話が見れるようですので、良かったらご覧ください。

では、本題に移りましょう。
じょしらくの原点である「落語」というのは日本の伝統芸能に当たります。
落語以外にも伝統芸能は何種類かあります。
①能・狂言
②歌舞伎
③人形浄瑠璃・文学
④舞子・芸妓
⑤日本舞踊
⑥琉球舞踊
しかし、その伝統芸能が危機に瀕しています。
一番の危機は担い手の不足でございます。
そして、担い手の不足の大きな原因は参入障壁の高さと需要の低さにあるかと考えられます。
参入障壁をもっと簡単に言うと、一家相伝だから他人が入り込みづらいということになります。
どれだけ興味があって門をたたいたとしても、簡単に輪に入ることが許されない、そんな敷居の高さが問題なのでしょう。
しかし、ポジティブにとらえるのであれば、「障壁を高く設定することにより、より強い想いを持つ人間のみがその輪に入ることを許される」とも言えます。
まぁそれが衰退を招いてしまっているので元も子もありませんが。

伝統芸能が衰退した要因のもう一つが「需要の低さ」ですが、これはただ「見る人が減った」というだけの問題ではありません。
最低限の需要がある限りは、伝統芸能に携わる上位数パーセントは裕福な暮らしができます。
しかし、残った下位層はそれだけでは食べていくことができません。
これは伝統芸能に関わらず、現代の芸能の世界でも言えることです。
「稼げるのは有名になった人のみ。」
これが伝統芸能に若者が参入したがらない理由のもう一つです。
逆に現代芸能は憧れる人が多いうえ、伝統芸能ほど敷居が高くないからこそ、挑戦する人が多くいるようにも思えます。

いくら時代が移り変わるとはいえ、日本で育った貴重な文化を無下にするべきではございません。
では、「伝統芸能を守る」ためにはどうすればよいのでしょうか?
一番大事なのは、時代に合わせて変化をすることだと思います。
伝統芸能だって「伝統芸能」と言われるまで様々な変化と進化があったはずです。
それは、現代においても継続されるべきなのではないでしょうか?
「伝統芸能」と言われるようになったらそれで発展がストップするのは非常にもったいないと考えます。
また、変化するという観点であれば、じょしらくのように現代のエンタメと融合させて認知を広げるのも一つの手だと思います。
簡単なことではありませんが、若者を取り込むためには一番簡単なな方法だと思います。

伝統は継承されるべきです。
しかし、継承が進化を止める言葉になるのであればいつかはそのつながりは途切れてしまいます。
なので伝統を「伝統である」と終わらせるのではなく、それでもどん欲に新しい何かを見つけるのが伝統及び現代の芸能に必要なのではないでしょうか?

今回はここまで。
次回もよろしくお願いします。

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