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けいおん!から考える表現の自由

アニメで考える社会問題
本日は「けいおん!」を通して表現の自由について考えていきましょう。

けいおん!は2009年に第1期、2010年に第2期、2011年に劇場版が公開されたバンド系アニメです。
部員が0人になってしまい、廃部寸前の桜が丘高校軽音部に集まった4人の女子高生を描いた作品で、活動内での日常的な雰囲気や特徴的な楽曲が売りとなっています。
途中から一人増え、5人での活動になります。

個人的にはアイドルマスターと並ぶ、キャラが歌う系のアニソンの火付け役になったアニメだと思います。
挿入歌だけでなく、オープニングからエンディングまでもが軽音部である「放課後ティータイム」が手掛けております。
ジャンルも可愛い系からふわふわ系、クール系と多種多様で好きな楽曲が必ず見つかると思います。

ちなみに、私は「ふわふわ時間」と「Utauyo!!MIRACLE」が好きです。
当時の基準で語るのであれば、アニソンはまだまだ受け入れられていなかった側面があります。
今でこそYOASOBIの「アイドル」やLisaの「紅蓮華」等でアニソンの社会的地位も上がりましたが、当時はやはり「オタクっぽい」という負のイメージが付きまとっていたように感じます。
「オタク」に負の印象がついたのには別の要因があるのですが、それはまたいつか取り上げてます。
とても良い楽曲なのに、「オタクっぽい」というだけで負のイメージがつくのはとてももったいないですよね。

楽曲に負のイメージがつくと言えば、直近でこのようなニュースがあったのはご存じでしょうか?
Mrs. GREEN APPLE(ミセスグリーンアップル。以下、ミセス)が制作した楽曲「コロンブス」が差別的な表現を含めてしまっているとして炎上、MVの公開が停止された騒動でございます。
この記事の公開時点でもまだまだ問題として取り上げられております。

コロンブスの件においては差別的な表現が含まれていたために問題となりましたが、本来音楽というのは様々な主義主張を自由に音楽という一つの手法で表現することであって、問題になってはいけないのだと思います。
けいおんの曲を聞けばわかりますが、何を伝えたいのかもよくわからないような楽曲も多々あります。
中には「ご飯は主食ではなく主菜である」というようなテーマの楽曲もあります。
しかし、そんな内容でも自由に表現できることが音楽の素敵なことなのであると私は考えます。

本題に入りましたね。
今回は表現の自由についてです。
個人的な感覚になって恐縮ではございますが近年、表現の自由が危ぶまれているように感じます。
表現の自由とは、憲法で保証された範囲内で、外部に向かって思想・意見・主張・感情などを表現したり、発表したりする自由のことです。
もちろん、「個人」を傷つけるような過剰な表現は禁止されるべきなのは事実ではございますが、そうでない限りは自由な表現を国及び国民は保障するべきでございます。
けいおんの楽曲が様々なジャンルと歌詞で表現できているのも、表現の自由が保障されているからです。
しかし、ミセスのコロンブスは炎上してしまいました。
その本質は「ポリコレ的だった」ということにあったかと思いますが、それだけで表現の自由が脅かされるのは正しいことなのでしょうか?
勿論、映像の中には問題となる要素があったのかもしれません。
不快に感じる方がいたことも炎上の規模からも容易に想像できます。
しかし、そも音楽とは万人が同じジャンルを好んでいるわけではありません。
10人いれば10通りの好みがあってしかるべきなのです。
場合によっては10通りの中に1つくらいは不快に感じる内容があるわけです。
今回のコロンブスに関しては、コカ・コーラが一枚かんでいたことからコンプライアンス的なところで問題視されています。
確かに、多くの消費者を獲得しているような会社が差別的な表現を行う楽曲をプッシュして言い訳はないのですが….
それはそれで考えるのであれば、歌とアーティストにはさほど問題はないように感じるのは私だけでしょうか?
今回はただ10人中9人に不評だったというだけで、誰かには刺さっているかもしれません。
大多数が不評しただけで表現の自由は抑圧されなければいけないのでしょうか?
もう一度述べますが、音楽とは様々な主義主張を自由に表現する手法の1つです。
自由な表現ができたからこそ、けいおんの曲は今でも人気の楽曲の1つになったわけです。
消費者が、自分の感情を理由に弾圧をすることは、その音楽を作った人への最大な冒涜であると私は考えます。
作り手が詞や曲に責任を持つのと同様、消費者にも音楽に対して責任のあるアンサーをすることが求められた時代になったように感じます。

今回はここまで。
次回もよろしくお願いします。


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