夜からの手紙 #毎週ショートショート
あなた、私をキライでしょう?
きっと、明るいあのコが好みだもの。
捻くれているから、ワタシ。
抱きしめて。
そんなコト、言えるわけない。
月がキレイねって、空も観ないで呟くだけ。
そしたらあなた、そうだねって空も観ないで頷くもの。
それだけで話は終わるの。
たとえ同じベッドで寝ても、あなたは私を抱かないわ。
ツマラナイって、そう思ったでしょう?
こんな手紙は破いて捨てて。
読まなくたって構わないわ。
私だってね、朝に見返したなら、きっと破いて捨てるもの。
でもコレは、夜からの手紙なの。
こんな手紙は、朝に届いてはいけないわ。
寒い夜に読んでほしい。
独り、お酒でも呑んで、タバコもあれば完璧ね。
イマドキそんなヒト、居ないでしょうけど。
読んだ後、暖炉にくべて。
そして、朝になればスッカリ忘れるの。
眠ったらそこは朝だもの。
もう私の居場所はないわ。
サミシイ夜にだけ、想い出して。
私と会った夜のコト。
あなたがキライな私のコト。
惹かれるテーマだったので参加してみました!
色々な文体にトライしたいなぁと思い試行錯誤中。しっくりくる文体を探したいです。
読んでいただきありがとうございました。
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