2050年、東川町の人口はどうなっているのでしょうか?
全国的にも珍しく人口が微増し続けている北海道・東川町は2023年に人口8,600人になりました。
30年前の1993年は7,063人だったので30年間で1,600人(約2割)が増えたことになります。
大雪山や豊かな地下水など自然環境の良さ、旭川市や旭川空港に近いという立地の良さ、住民サービスの良さなどから移住者・転入者が増えています。
また全国唯一の公立日本語学校と専門学校の留学生が400人以上いることも大きな要因になっています。
また東川町は「適疎なまち」として過密でも過疎でもない町を標榜しています。
近年メディアにも多く取り上げられ、「人気のある町」ではありますが、今後日本全体の人口が減っていくことが確実な中で、東川町の人口はどのように推移していくのでしょう?
下のグラフと表。2つの人口推移予想を元に作ってみたので見てみましょう。クリックすると大きく見やすくなります。
1つはA: 東川町が推計した数字=A 青い棒 (ひがしかわ価値創造計画2023年資料より数字を抜粋)
もう1つはB: 国の機関、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(ちょっと古いですが2018年推計)」が推計した数字=B 緑の棒です。
AもBを参照して一部独自に推計したとのことですが、Aの東川町の推計値の方が上振れしているのが見て取れます。
Aの東川町の推計を見るとこのまま人口は順調に微増を続け、2035〜2040年には9,000人を若干突破。
その後減少へと転じ2050年に8,610人と現在2023年と同じくらいに再び戻ると予想しています。
Bの国の機関の見立てに至っては、ずっと減少を続け2050年代には7,000人を大きく下回るとなっています。
その差が気になるところです。
人口が増えるのが良いのか?減るのを良しとするのか?
2択で聞かれたなら人口が増えるのが良いと答える人が圧倒的多数でしょう。
しかし、上記の推計を見るまでもなく東川町の人口がこのままずっと増え続けることも、キープすることもありません。人口減は必ずやって来るのです。
その時期を遅めるよう努めることは行政の目標として当然のことです。
合わせて人口減=悪にならないような心構えや受け止め施策も必要
でしょう。
すなわち経済的な豊かさを追及するのではなく、心の豊かさや健康に生きることを目指す町であって欲しいとも願っています。
また公共施設も、人口が減ること、人口7,000人程度になることを見越して整備する、あるいは新築を制限する必要があるように感じます。
ここで日本全体の人口推計を総務省が発表しているので見てみましょう。
日本の人口は急速に減少に転じ、2050年には1億人を大きく下回る9,515万人となるのです。あと27年後です。
その中で現在と同じ8,600人の町民を有すると推計する東川町の推計はやや楽観的に見えてしまいます。
上図で示す通り、2050年までに全国で現在人が住んでいる地域の約2割が誰も住まない地に成り下がります。
北海道の52.3%が無居住化するとのおぞましい予想も出ています。
27年後の東川町が今と同じ人口規模でいられるという前提での政策が進んでいくとするならば、冷静な判断を求めて行かなければと思います。
町民の皆さんにもそのような観点を持っていただきたいと思います。
「今だけ、金だけ、自分だけ」とならないように。