3月議会の一般質問要約。住民自治や東川町の民主主義の熟成の観点から、町長に問う。
3月18日の定例会で一般質問を町長に対して行いました。
3月11日に発表した東川町の令和6年度行政執行方針についてです。
主に住民自治や東川町の民主主義の熟成の観点から、町長の考えを問うています。
要約したにも関わらず長文になりますが、これからの東川町の行方に関わることですので、目を通してみてください。
住民自治や東川町の民主主義の熟成の観点から問う
飯塚:
行政執行方針の中身について、住民自治や東川町の民主主義の熟成の観点から、特に主要施策として基本目標の5番、「対話と参加でともに歩む適疎な町づくり」についてを中心に質問していきます。
前提として私の考えは、東川町の発展の原動力として、行政の皆さんが牽引されてきた一方で、優秀な行政のおかげで、町民が町づくりに参画する機会がなく置いてけぼりになっているような懸念があります。
この先、持続可能な適疎な町を推進していく上で、町民が町づくりに参画する機会をもっと作っていくべきで、それが住民自治であり、東川町の民主主義の熟成につながると考えてます。
町長は就任以来の1年を振り返って、町民参加型のまちづくりの観点で、どのように感じていますか。
町長:
町民参加型、参画型のまち作りをどう進めていくかは、就任当時から最も重要視しているものの一つで、昨年と今年度の執行方針において、その辺を重視した内容となっています。
1年を振り返るとタウンミーティングやバスツアーで東川町民の方々が、町で今何が起きているのか、この現状に至るまでどういう経過でこの町づくりが行われてきたのか、それを踏まえて、この先どういう町づくりがしたいのか理解していただくことを努めてきました。
魅力があり価値ある町として東川町が発展をしてきていることを町民が共有することで、我々と一緒になってこの後の町づくりをしていけると確信しています。
町の考えてること、議会と議論をした内容や町づくりの内容について個別の内容を詳しく町民の方にどう伝えるかは非常に難しいと感じています。
情報発信をしていく、共有をするという方法には、広報、ホームページ、東川アプリなどを通じて発信をすることで工夫していますが、必要な情報を必要なときに、伝えるということはまだ道半ばです。
「自治振興区振興計画」とは?
飯塚:
行政執行方針の中に「自治振興区振興計画」を作るとあります。
私は住民自治を進める上で2通りのパターンがあると思っており、それは自治振興会を生かした間接、住民からすると間接的なやり方が一つ。
もう一つは町民、住民が直接的に町づくりに参加するやり方。
この両方を高めていかないといけないと思ってます。
特に新しく移住されてきた方の中には町内会に加入されない方もいますし、今年度行われた町づくりの策定委員の中に公募枠の中に、町づくりに高い関心を寄せる方たちが複数いたことも踏まえ、自治振興会を通じた間接的なやり方と、直接的に町民に呼びかけ、集って話をする機会の両方を進めていく必要性を感じています。
そういう状況下で間接的な方法の「自治振興区振興計画」の中身について伺います。
町長:
私は二つに分けてではなく一体として考えていて、五つの振興会は、町民のそれぞれの地域の課題を解決していくために町民が、自ら組織して頑張ってる組織と考えており、自治振興会を中心にした情報の共有がやはり必要だと思ってます。
ただ、それだけをやればいいということではなく、様々な議論をするときに、自治振興会の方も関わっていただき、その中におられる町民の皆さんにも同じ情報を伝えていきたいという思いです。
「自治振興区振興計画」は、令和4年度に地域の自治活動の推進と、その課題を共通理解によって解決をしていこうと策定した「地域活性化プラン」で議論された内容も踏襲した計画内容を各自治振興会と共有し、自助、共助という視点で必要となる取り組みを再度協議をし、官民一体となって町づくりを推進をしていくためのものです。
具体的には、各自治振興区ごとの計画をまず整理し、地域に展開をすることを目指し、各地区の各計画をまとめたものを合わせて、町全体のものとして振興区計画という形で作成をしたいと考えてます。
各地区で3回ほどの5ヶ所で、計15回程度、住民の方々、そこに事業者団体組織を交えたワークショップ等も含めて開催をしたいと考えてます。
全体の共有についてはコミュニティ推進会議を毎年開催してますので、その中で共有をし意見交換も行います。
議論の中身は、新まちづくり計画2024の中に登載されている様々な事業計画は1から5までの中に各自治振興会と共有をして議論をして行くべき内容が相当量入ってます。
計画1であれば、各地区の放課後の居場所作りについて、どう推進するのか。
計画2では独居老人の方の包括的支援や高齢者の方々が活躍できる仕組み、計画3では、市街地内における施設整備の再編や、それぞれの施設がどういう役割をもってというところのことについても、地域の方々と検討していかなければならない。
計画4は市街地の都市計画があり、今後どこを宅地化できるのかということ、高齢者の住環境も伴ってきます。
町内会への加入促進や災害に対する体制、防災の考え方、消防組織のあり方など、町と地域の方々と連携しながら進めなければならないこともあるでしょう。
そんなことを一つ一つ意見交換をした中で、計画の策定を進めていきたいという思いです。
新しい「まちづくり白書」とは?
飯塚:
「まちづくり白書」を令和6年度に作るとありますが、その意図と内容について伺います。
町長:
新まちづくり計画2024の概要、政策的に新規に行う予定をしている主要な事業についての内容や、現在の財政状況と今後の財政運営に関する資料的なこともまとめたものとして掲載をして、作成をしたいと考えてます。
発行時期についてはなるべく早く、5月または6月頃になると考えてます。
新まちづくり計画2024のPDCAサイクルは?
飯塚:
新まちづくり計画2024の中に280項目ぐらい上がっている内、5年間でそれを実行していくということですが、その策定委員会の中で優先順位を決められたのではないようです。
令和6年度は誰がどう実施していくということを決められたのかということ。
PDCAサイクル。この5年間でどのように、スケジューリングしていくのか。
また策定委員の方が50名弱いらっしゃっいましたが、その方たちに報告するような義務もあるのではと。
今年はこれをやりますという中間報告、ここまでできたという結果報告の機会も必要だと感じています。
町長:
令和6年度にやるべき事業をどう決めたのかは、令和5年度にまちづくり計画を策定をした議論の中でも、熟度の高いもの、準備ができてきたものについてを令和6年度の予算へ計上しました。
策定委員の任期は、策定をして答申をするまでと定めています。
だから、報告しなくていいのかではなく、自治振興会を介しても含めて、どのように進捗の内容をわかりやすくお伝えし、この後何を検討していかなければならないのかを、町民の皆さんと共有することだと思っている中で考えていきたいと思ってます。
PDCAサイクルの関係で言うと、計画は令和8年度に見直しをするということで、タウンミーティングや議員との情報共有と協議の場の中で出された意見や提言を踏まえて、計画内容の見直し進捗の確認を含め、見直しを行っていきたいという考えです。
この計画の進捗確認と、この計画内容はある程度包含した内容ということで町づくりの方向性について示されたものと考えてますが、その計画に載っていないからやれないということではなく、計画に縛られないところでも、計画の中身を十分に踏まえた上で、早期にタイミングを見計らって実施しなければならないものも、この後出てくる可能性は当然あります。
その状況の変化によっては、議員とも情報共有、意見交換をしながら、スピード感を持って対応していきたいと考えています。
新まちづくり計画2024の周知方法は?
飯塚:
新まちづくり計画2024がどのようなものであったかを町民に広く周知する必要もあると思いますが、計画、予定はありますか。
町長:
「まちづくり白書」の中身の半分くらいを新まちづくり計画の2024の概要版としてわかりやすく伝えられるよう作成したいと思っています。
作成した後にタウンミーティング等7月以降にその資料を使いながら、情報の共有と意見交換を図りたいと考えてます。
飯塚:
「まちづくり白書」を多くの方に届くよう、どのように配布しますか。全戸配布か、ホームページ上だけにアップされるのか。
町長:
全戸配布し、あわせて、ホームページ等にも内容の掲載します。
タウンミーティングはグループからの要請に応えるのか?
飯塚:
タウンミーティングを今年も開催すると伺いました。
昨年度、5回ほど私も参加しましたが、気になったのはこれまでの東川町のの歩みや実績、経過の町長の説明が長くあり、歴史を知ることによって町に誇りを持つことを第一義に考えていると。
一方で意見交換という場の持ち方であったり、時間的なところが十分でなかったと感じたところから今年度の開催では、町民と意見する場を中心にしてはと感じています。
また自治振興会を中心に開催するということですが、任意のグループから要請があれば、町長が来て話してくれるのでしょうか。
新まちづくり計画2024の策定委員に入ったことをきっかけとして、まちづくりについてグループで今後も続けて話していこうっていう機運が高まっております。
町長:
意見交換の時間が十分ではなかったということですが、昨年の感触としては、十分に皆さん思っておられることをご質問いただいてそれにお応えすることができたと思ってますし、時間も制限をなくやった中で、手が挙がらないところまでやれたと感じてます。
その経験を生かして、令和6年度については工夫をしながらより多くの方に参画をいただけるような、開催の仕方を考えたく自治振興会やその他団体の方とも周知方法、実証方法を検討させてください。
まちづくりの策定委員の方々で参画後、非常に関心が高い人が出てきているということ私も実は感じていまして、個別にそういう声も私にもいただいているところです。
町長と直接話す場ということについては、いろんな要望があればそれにお応えをしたいと思います。
飯塚:
タウンミーティングに関しては自治振興会を中心に今年も行っていくということですが、区域を限定せずにテーマ別に開催する方法もあると思います。
例えば、子育てについて話し合うというテーマにすれば、その地区によって分ける必要もなく、子育て中のママが行きやすい時間帯に設定することもできるでしょう。
財政についてやデザインミュージアムについて話をする会など、テーマごとにすれば区域を限定せず、そこに関心を持ってる方が参加してもっと深い意見交換ができ、まちづくりに役立てると思います。
町長:
いろんな方法で回数も増やしていくということも必要だと思いますが、逆に収拾がつかなくなるっていうこともあると思います。
さらに項目別に分けることはその他の、トータル的にいろいろと関係性がある中で難しい面があります。
例えば子育てをしている方々のグループからこういうテーマで話をしたいとあれば、我々は受けて機会を提供していきたいと考えます。
町長と地域おこし協力隊の情報発信を積極的に
飯塚:
情報発信についてお尋ねします。
行政執行方針の中でも情報発信に努めるとあり、その中で町長も、地域おこしも活用してと書かれてあります。
広報ひがしかわは前町長は毎月定期的に町長の考えを書くコラムをお持ちでしたがそれを復活して、菊地町長なりのコラムは持つのがよろしいのではと思います。
特に新しい住民の方は菊池町長がどういった人となりなのかを、知らない方も多いでしょう。
町長の動向や、町政を町長がどう進めていこうとしているのかを知る機会として広報ひがしかわを有効活用していくのが良いのではないでしょうか。
町長:
1年考えてきたつもりですが、コラムなり広報のページを使って、私の考え方をどう発信していくのかがまだ整理がついていないのです。
ちょっと時期を見計らって考えていきたいと考えを持ってたところです。
SNSの発信はFacebook中心に少し行っていますが、その中でも、様々なコメントがあったり、個別に連絡をいただく機会もあり、その経験も踏まえて、この先どういう方法がいいのか考えていきます。
飯塚:
地域おこしを活用して情報発信をという項目もありました。
令和6年度は、地域おこし協力隊の予算措置として98名と、ちょっと尋常じゃない数の地域おこし協力隊を取ろうとする意思があるということです。
しかし隊員の1人1人の顔が見えない、活動が見えない状況に対して町民の間から不平や不満の声が上がっていることを町長も承知はしていると思います。
一見公的な仕事に就いてると思えないような隊員もいるようだという声も上がっています。
コロナ特例で在任期間を2年間延長できる制度を活用するのはよいかと思いますが、この3年間その方たちはどういう事業に就かれて何をしているのかということが、あまりにも見えないのはどうでしょうか。
私も前からお話はしていますが、地域おこし協力隊の活動の様子がわかるような説明をする必要があると考えてます。
実情と違うのであれば誤解がないように情報発信することが隊員にも町民にとってもプラスだと考えています。
町長が行政執行方針で書かれていた地域おこし協力隊を活用した情報発信とはどういったものなのか聞かせください。
町長:
様々な分野で活躍してくれている協力隊がおり、業務としてそれぞれやれる方法で情報発信をしていただければということです。
今までも担当者と連携しながらやってきていますが今後も町全体の情報が、町外に広く伝わるような情報発信、東川町の本質を伝えていただくようなことも工夫していきたいと考えてます。
人数が増えれば増えるほど、活動の様子が非常にわかりにくくなってきているのは事実です。
これまで協力隊の活動を町民の方々に情報発信してほしいということも言われてましたが、実現できていないというところがあります。
広報等を通じて、それぞれ活躍している分野ごとに協力隊の個別の人、活動の概要について項目ごとに小分けながら少しずつページを割いて発信していくことがいいのではと担当課長と話しており、引き続き検討したいと思ってます。
協力隊の数として令和5年度では東川町76名ですが、令和6年度98名を予算措置したところです。
大きくは北工学園の福祉人材、子供教育幼児教育の人材を学びながら地域人材として育てようというところで、協力隊を活用することを新たにスタートさせるため増えています。
移住定住から定住に文言を変えた意図は?
飯塚:
令和6年度から移住定住という言葉をから移住を抜いて、定住と言い換えるとのことでその意図を伺います。
適疎なまちということの反面、令和5年度まではかなり移住、移住定住のフェア等を含み、町民をたくさん町外から呼び込もうという施策を進めてきた中で、移住という言葉が抜けて、定住になったというのはなぜでしょうか。町長:
私の思いはまさにその通りで、移住定住よりも定住ということを中心に進めたいという思いで、その言葉の使い方になっております。
職員とも共有をし様々な事業にこの考え方を生かそうと思っているところですが、私は移住者という言葉が嫌いです。
東川町に住んだら、それは1日でも10年でも何十年でも、東川町民であるというところで定住者であります。
東川で生まれた人も定住者で、外から来られた方も定住者と同じではないかという意味で定住という言葉を重視したいと思ってます。
そう言いながらも移住フェアなど、外での発信事業は従前通り進めているではないかと思うかもしれませんが、内容を紐解いてみると少し変わってきています。
移住フェアというイベントでは従前は、ぜひ移住してくださいという内容が主でしたが今は、東川町というのは、こういう町だと知っていただくということを重視して、様々なイベントの内容を工夫しています。
各担当も悩みながらやっているところであり、東川町の現状を考えたときに、どんどん東川町に来てくださいではないだろうと。
東川町のことをしっかり理解をしていただくことをしてから、そこで初めて、東川町への定住というものが促進される。
本当に東川町のことを理解をして、冬の生活のことも、いいことも悪いことも理解した上で、東川町に魅力を感じて定住したいという人が増えるということだと考えており、今後もこの考え方を中心に進めたいと思ってます。
ここまでで一般質問の持ち時間45分が終了です。
町の責任者、運営のトップである町長の口から町政の有り様を聞くことは意義深いことだと思っています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。