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1001字 ここ

間違えて降りたのに、妙に街全体の匂いが懐かしくて、ただ個人経営の飲食店が集まる場の汚さに錯覚しているとは思わなかった
橋を渡って目に入る白い古びたマンション 太ったおじさんと奥さんがくつろぎ こちらを見下ろす

ベランダから見下ろして歩く人が交差するのを眺めること私自身がよくしていたから、視線にすぐ気がつく
傷つけた誰かのこと思い出したって仕方ないけれど わたしがしてきたように(身体的記憶がとうに離れていたとしても)=同等の見返りを求めるのと同じように、自分の持ついやらしさを、きみも同じくらいの軽さで持っているのではないか? 4階から覗くあなたたちはどうなのさ ちょっと睨むけど
白いマンションが視界の右側から見切れた

中野新橋には喫煙可の喫茶店がふたつはあって、ひとつは休業 店の前の喫煙所にいる人たちは喫茶BELL、よく使っていただろう 休業していないほうは18:00まで開かれていて水曜が定休日
匂いが懐かしくて家からすぐに来れる街 一人旅みたいな嬉しさ感じられたから、もう帰っていい ファミマに寄る 
ACIDMANやAge Factoryみたいな音のバンドの曲がきこえて泣きそう この前の水曜、行かなかったLIVEのこと"僕たちの音楽をいろんな人に聴いてもらって幸せです"って言ってて あー、力入れてたライブだったんだ 行けばよかった気がする 

社会的人間としての私がまともになったら連絡しようと思っている友人たちとは、一向にコンタクトを取れない 一向にわたしがまともにならない 新卒で入った会社の同期、高校のバンド、黄色い電車で2時間 リバーズエッジの舞台 あの映画って魚喃キリコが原作なのね

平日の仕事は毎日呆れるくらい眠くて、薬代をケチって風邪がぶり返しているからなのか、デスクワークだからか 週3で昼とは別にしている夜の労働をもっと増やしたいくらい生活はギリギリで、だけど増やしたらいつかきっと倒れる お昼のために作って食べているお弁当は不味くない たいして美味くもない 生活頑張ってる感あるし続けようかな 

出向したら昼と夜のあいだの時間(between労働and労働)が少なくなる。朝会社に行く支度をしているとき、そのあいだレコードとか流せたらいい? 仕度するときのどきどきと、部屋に差す光の角度が変わっていく時間がいまは全然ないな

だれかいっしょに映画観に行こう 
一人だと後回しになっちゃうのさ 



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