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移住のための山林開拓プロセス ②
2020年10月に山林を取得してから現在に至るまでの大筋を時系列で。
当地は豪雪地帯であり、積雪時は除雪以外の作業はほぼできないので、実際の開拓作業の進捗はおおむね5月〜11月の間に限られる。
土地の形状を把握するために下草を刈る
当地は、かつては農地で、トウキビ(とうもろこし)や牧草などが栽培されていたという。放棄されたのはおよそ20年ほど前。以来、時を経て白樺を主体とするうっそうとした森になった。
植物というのは面白いもので、裸地にまっさきに侵入して覇権を獲得する『先駆植物』と呼ばれる種が存在する。裸地とは、災害や開拓などにより地表がむき出しになった土地のことだ。
代表的な先駆植物が、笹、ススキ、イタドリなどの草木。そして、カバ、ハンノキなどの樹木である。
これらは、そのまま当地の植生に当てはまる。
これら先駆植物のなかでも、もっとも手強いのは、間違いなく笹だ。
笹は、地下茎を縦横に伸ばして藪化し、地表への日光を遮ることでほかの植生の定着を阻止する。そればかりか、しばしばほかの植生を侵略する。
さらに枯れたあとも数年はそのまま朽ちずに残り、倒れた茎の下から新芽が出て、さらに覆いかぶさるように増殖する。
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笹を駆逐するには、チップソーを装着した草刈り機が必要だ。ナイロンコードでは
歯が立たない。
草刈り機には電動とエンジンの2種類があって、それぞれに長短所がある。当主は状況に応じて使い分けているが、どちらかひとつしか選択できないのであれば、電動を推奨する。
たしかに電動はエンジンに比べてパワーは劣るが、メンテナンスが楽だし、軽量で音も静か、さらにはゼロ・エミッションである。
エンジンを選択する場合は2ストロークの26ccクラスが使いやすい。
最近は環境保全の観点から4ストロークエンジン搭載モデルが登場しているが、あきらかにパワー不足を感じるので、4ストを買うくらいなら電動のほうがよいのではと思う。
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あらゆる面で強靭な笹に比べると、同じ先駆植物であっても、イタドリやススキ、ヨシの類は刈りやすい。
ところが、これらイネ科の植物は、笹を含めてすべて地下茎を延ばす種族で、刈っても刈ってもゾンビのように再生する。でっかい株にまで成長した地下茎を手作業で掘り出すのは困難なので、光合成ができずに根が枯れるまで、ひたすら刈り続けるしかない。
重機を入れてしまえばラクなのだが…。
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下草を刈ってしまうと、地表に日光が届き、土地の形状が把握できるようになる。そして、どの樹を残し、どの樹を間伐すればよいかも見えてくる。
また、これまでにない植物が発芽するようになり、自然界の生命力を肌で感じることができるのである。
つづく
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